原作のカルト的な人気と、永瀬正敏、浅野忠信、佐藤浩市という自分の世代ではたまらない共演に惹かれて映画館まで足を運んで観ました。

ただ、この映画の監督が『パンク侍、切られて候』の監督と知って「あぁ、ちょっとヤバいかも」と思いました。

昔観て、あまりに合わなかった記憶があったので。

この映画を観た結果としては、2千円払って、2時間かけて、何を観せられたのかよく分からなかったです。


箱の中に入って生活することで、自分は誰からも見られないけど自分は他の人を見ていられるというメリットがあるので箱男をしている、っていう設定はなんとなく面白く感じました。

ただ、そこから自分も箱男になろうとする男が出てきたり、そもそも主人公は2代目箱男で先代の箱男を排除していたり、自分も排除されそうになったり、軍事に利用されようとしたり、よく分からない展開になっていって、ついていくのがやっとでした。

というか、ついていけなくなってちょっと集中切れました 笑

さらに "妄想" なんて僕が映画において苦手なワードが出てきたものだから「この人は妄想で実在しない人?」「さっきのシーンは妄想で現実には起こっていないこと?」と混乱状態です。

挙げ句の果てにはよく分からないお色気シーン、というより異常性癖シーン。

もう何を楽しめばよいか分からなくなりました。

もう何が何だか分からないし、公開も終わるだろうからオチを言いますと「箱男はこの映画を観ているあなただ…!」みたいなラストのセリフで終わっていて、ベタなホラー映画みたいな終わり方でした。

前も「この映画を観たあなたも呪われましたよ」みたいな映画の感想で書きましたが、何十年も前からあるチェーンメールも同じなんですよね。

原作は50年前の作品だから、当時は新しかったのかもしれませんけど。

ストーリーはもう全体的に苦手で、ほとんど楽しめませんでしたね。


演出面で言うと、オシャレに撮ろうとしてるんだろうなって感じでした。

この監督の長所としてBGMの使い方が上手いっていうのを見かけましたけど、そうなんでしょうか?

僕はこの映画を観ていて気になったんですけど、BGMが急に止まるんです。

多分、ストーリーの中で重要なところやターニング・ポイントになるところで止まってたんでしょうけど、僕にはそれがおかしくて。

テレビで放送されているバラエティとかコントとか、何かおかしな発言があったらBGM止まったりするじゃないですか。

あれ思い出して、笑うシーンじゃないんでしょうけど、笑っちゃいそうになりました。

それが何回もあるものだから「何回BGM止めてんの?笑」ってなりましたもん 笑

BGMを止める演出は全然カッコよくなくて、笑いの手法になってしまってますからね。


そういえばこの作品、コメディだったのかな?

段ボールに入って膝を折ったまま走ったり、箱男同士が箱に入ったまま戦ったり、「そのときくらい箱から出んかい!」って思いましたもん。

浅野忠信の話し方もコミカルなキャラっぽかったですし。

もう映画をジャンル分けするのは時代遅れだと思いますが、この監督が笑いを取りに行ったのか気になりましたね。


不満しか書けなかった作品でした。

もう1回観て、妄想とかそのへんハッキリさせたいなという気持ちはありますが、やっぱり観るだけ時間がもったいなさそうなので観ないでしょうね。

ただ、原作は読んでみたいと思います。

これが原作のままか改悪か確認しなければなりませんから。