厨二病が抜けきらなくて、ジョーカーとかレスター博士とかちょっと変わった犯罪者や悪役に惹かれてしまうんですけど、この映画の殺人鬼も魅力的でしたね。

始まってすぐ警官を絞め殺すんですけど、そのときの視線が殺す相手を一切見てなくてどこを見てるか分からないし、半笑いで焦った様子もないんです。

この最初の殺人で「コイツはやばいな」ってなりましたね。

その後の殺人から使う家畜の屠殺用ボンベは「こんな重たくて使いにくそうな武器を使うなんて」といろんなところで書かれているのを目にしましたけど、僕は面白いと思いました。

最近の殺人鬼って、使いやすさとか持ち運びやすさとか効率を求めたものが多いですけど、この殺人鬼が重くて使いにくそうな威力に全振りした武器を使っているっていうのは、他の殺人鬼とはちょっと違うなって思わされましたね。

とにかく相手を一発でぶっ壊してやろうみたいな…ジェイソンとかみたいなモンスター的な思考の殺人鬼ですね。


話の大筋は殺人鬼と追われる者の話になると思うんですけど、その割には進行はゆるく感じました。

追跡シーンとか殺人鬼との格闘とか、派手に演出する監督が多いと思うんですけど、この監督はそういうのをほとんど入れず、淡々と話を進めていました。

派手なアクションが好きな人には物足りないかもしれませんけど、僕はじわじわくる恐怖が好きなのでこの映画をじっくり観れましたね。


けれど、また曖昧系の結末でしたね。

追われてる男とその奥さんが殺されたのは分かるんですけど、殺人鬼は最後どうなったのか。

それに、途中から唐突と出てきたトミー・リー・ジョーンズもよく分からなかったですね。

殺人鬼とも追われてる男ともあまり絡みがなかったように思いますし、この追走劇の第3者目線とか話のまとめ役みたいな人物が欲しかったのでしょうか。

けれども僕にはトミー・リー・ジョーンズの存在の必要性があまり感じられませんでした。


ざっくりまとめると、殺人鬼の勝ちで追走劇は終わったけど最後の事故の後の生死は不明、という結末でした。

感受性の乏しい僕ですが、自分なりの考察をすると、運の良し悪しで人生が変わるということと巡り合わせ的なものを言われていたのかなと思います。

もし僕が脚本を書いたら、最後に殺人鬼に追突しできたのが途中出てきたコイントスで助かったおじさんにしますね。

そうすると、この映画のテーマの巡り合わせみたいなものがより深い意味を持てたのかなと思います。

自分が見逃してやった生命に結局は生命奪われようとしてるとか、何の因果?ってなるかなぁと。

けど、それじゃありきたりなのかなぁ 笑