コロナ流行のせいで島外に行けず、島内に映画館がないため、新作を観る機会がありませんでしたが、やっと落ち着いて来たので島外へ出て映画館での鑑賞は約2年半ぶりとなりました。

新作と言っても公開から2ヶ月も過ぎていますけどね 笑


結論から言うと、今まで観たONE PIECE映画の中でも最高でした。

と言っても、『STRONG WORLD』と『FILM Z』しか観ていませんが…

けど、ホントに最高の映画でした。


『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『グレイテスト・ショーマン』『シング』と素晴らしいミュージカル映画と出会ってきた中で、この作品も音楽をテーマにした作品ということで楽しみにしていました。

期待どおり、歌唱シーンは最高でしたね。

『シング』でも言いましたが、アニメということを活かして現実では不可能な演出を織り交ぜながら歌って踊るシーンは楽しかったです。

その分、フルで流れなかった曲が多かったのは物足りなく感じました。

鑑賞前からAdoが好きで、この映画の主題歌を集めたアルバムを聴き込んでいたのですが、特に『逆光』という曲が好きで、この曲がワンコーラスしか流れなかったのは残念でした。

ラストサビ前が特にお気に入りなので、その部分がどのような映像を交えて流れるか観てみたかったです。


少年向けのアニメ映画にしてはかなりの悲劇的な内容でしたね。

今回のキーパーソンのウタは、世界中の人が幸せに暮らせる新世界を夢見ます。

自分の能力を使い、その新世界を実現させようとしますが、それは誰もが望むものではありませんでした。

挙げ句の果てに島に封じられたモンスターを目覚めさせてしまいます。

その戦いの果てにウタは悲しい結末を迎えます。

これに黒幕がいて、ウタを操っていたなら、ルフィたちも怒りの向けようがあったんだと思います。

ところが、ウタがみんなの幸せを願ってしたことだから、どこにも悪意がないんです。

戦いが終わって悪を倒した、平和を守れたという達成感や爽快感がありませんでした。

人々の幸せを願った人物がやり方を間違えてしまい、敵として倒さざるを得なくなった、そして悲しい結末を迎えてしまい、虚しさが残ってしまいました。

この結末を知ってエンディング・テーマの『風のゆくえ』の歌詞を読むと、この曲がこの映画になぞらえて描かれたものだとよく分かります。

この曲をバックに、これまでの登場キャラクターたちの現在が一枚絵で次々と流れるエンディングもよかったですね。

クライマックスからエンドロールまでで、久しぶりに映画を観て泣きそうになりました。


この映画はONE PIECEをこれまで読んできた人が観るとさらに楽しめたと思います。

久々に出たキャラクターもいたし、敵対していたキャラクターとの共闘は熱いものを感じましたね。

僕は本編ではほぼ絡みがなかったウソップ親子が違う場所にいながらもコンタクトを取っていたのが面白かったですね。

この親子がどういう関係性なのか気になっていましたから。

ただ、カリファが出てきたのはよく分からなかったですけどね。

彼女は出てきても何もしてませんでしたから 笑


原作は長い連載を経てとうとう佳境に入っており、これから全ての謎が明かされていくことになります。

この映画を観て、改めて尾田栄一郎氏のストーリー構成の上手さを感じました。

きっと、誰もが驚く結末を迎えることでしょう。

改めて原作を読み進めていくのも楽しみになってきましたね。