観たいものがあまり観れない映画ですね。

予告とかを観ると、今まで観たことない自然災害がたくさん映っていて「これはスゴい映画かもしれん」と思ったんですけどね。
映画一本通して観ると、自然災害のシーンは割合的に少ないんです。
ほとんどのシーンはありきたりなハリウッド映画の重要なパーツを集めた感じです。
宇宙ステーション、カーチェイス、政治家の陰謀とそれを追う主人公たち…
僕が観たかったものはそんなんじゃなかったんですけどね。
予告動画に騙されました。
予告で、自然災害のシーンより人工衛星のシーンが多いですよ、って言って欲しかったです 笑
そもそもタイトルにもなっている「ジオストーム」ってものが起きないので、どんなものか気になりました。
それが起こらないように奮闘する話なんですけど、5分くらいだけでもいいので「ジオストーム」でどんなことが起こるか見せて欲しかったです。

僕が好きだったのは、地面に落ちて割れた卵が、一瞬で目玉焼きになって「こいつはヤバいぞ」って気付くシーンです。
津波が来てるとか、大きい雹が落ちてきてるとかはスクリーン越しでも観れば分かるんですけど、地面が熱くなってるってスクリーン越しには伝わらないじゃないですか。
それをどうやって映画観てる人に分からせるか、ってのが監督とか脚本家の腕の見せ所だと思うんです。
ふつうに「地面が熱いな…」って登場人物に言わせても面白くない。
車のタイヤのゴムが溶けたり、水たまりが一瞬で干上がったりしても面白くないし、演出としても地味になってしまう。
この、卵が一瞬で目玉焼きになるって表現は面白がったですね。
「ん?どういうこと?あ、地面が熱くなってるんか…  それ、ヤバいやん!」ってだんだん事の重大さに気付いていくんです。
こういうジワジワくる恐怖感っていいですね。
それにしても、アメリカの映画でのアジア人はホントに扱いが悪いです。
このシーンで、地面が熱くなってるのに気付いて、アスファルトが割れてマグマが湧き出そうとしてる中、車を飛ばして何とか逃げ切ったアジア人がいるんですが、話の中盤であっけなく死にます。
こういうある程度の役目が終わったら死んでしまう登場人物っていつもアジア系の人間のような気がします。
「せっかくあの地面熱くなってるところは生き残ったのに、ここではあっけなく殺すんかい」って言いたくなりますよ。
そこはちょっと好きになれませんでしたね。

こういう映画に出てくる宇宙船とか衛星がどのくらい丈夫なのかがよく分かりませんね。
結構いろんな箇所が爆発してるのに、まだ動いていたり、脱出も可能だったりするものだから、「これはもう助からないかもしれない」って危機感が起きませんでした。
パニック映画でこういう危機感が伝わらないのって少し残念です。

ラストシーンは『アルマゲドン』でした。
大胆にパクりましたね。
制作会社とか配給会社とかよく分かりませんが、『アルマゲドン』を作った側から怒られなかったんですかね?
まぁ「『アルマゲドン』は最後死んだんだっけ?」って思ったくらい印象に残ってない映画なんで、どうでもいいんですけど。