この映画の監督は狙い過ぎですね。
目を逸らしたくなるような衝撃的なシーンを撮ったり、宗教的・哲学的なテーマを暗喩させたり…
多分、ラース・フォン・トリアーとかギャスパー・ノエとか、その辺の監督に影響を受けたんでしょうね。
「よーし、俺もこんな映画撮ったるかー」「衝撃作って呼ばれるヤツ撮ったるかー」って感じで撮ったんでしょう。
けど、所詮は二番煎じ、三番煎じです。
何の衝撃もないし、新しくもありません。
この監督に同情するところがあるとしたら、邦題ですね。
原題をそのまま訳すと“ゴルゴダの丘”って意味らしいんですけど、これはキリストが罪を着せられて磔の刑にされた場所のことらしいです。
そのことが観る前に分かっていれば、主人公が磔にされるシーンだとか、この映画の全体的なイメージが変わっていたかもしれません。
それが『変態村』ですよ。
この監督に「日本では『変態村』ってタイトルで公開しますんで」って聞いたら、OKしたでしょうか?
僕が監督だったら、この映画に出てくる村人は変態とはまた違う人たちだと思うので、この邦題は認めませんね。
この邦題が、この映画を少し違う評価に持っていってしまいました。
内容もそんなに面白くはなかったですね。
獣姦とか男同士の強姦は顔をしかめてしまいますが、「こんなシーン映画で流して大丈夫なの?」ってくらいの衝撃はありませんでした。
先にラース・フォン・トリアーとかギャスパー・ノエの作品を観てしまってますからね。
村人がダンスを踊るシーンの気持ち悪さが話題になってますが、僕は何とも思いませんでした。
アメトークの『踊りたくない芸人』の動きの方が気持ち悪いです 笑
そしてラストの唐突な主人公と沼にはまった村人との哲学的な問答…
失礼ですけど「村人のオマエはそんな質問してるけど、そんなこと気にする脳があったん?」って思いました。
主人公の答え方も意味深なのか、もうどうでもよくなって答えたのか分からないし…
観てて疲れる映画でしたね。
90分くらいの短めの映画だったのが唯一の救いでした 笑
あまりいい評価をしたレビューがなかったので、僕はいいところを探そうと思ったんですけど、やはり面白くないものは面白くありませんね。
1ヶ月もすれば何も覚えていない映画です。