この映画って、ちょっと前にブームだったゾンビパニック映画の元祖ってイメージでした。
いざ観てみると、この映画のモンスターはゾンビじゃなくて吸血鬼なんですね 笑
しかも、あんまり強くないからすぐ死ぬし、ネズミの頭をしたヤツに変態したりして、あまり怖くない。
B級感溢れるモンスターでした。
公開当時は斬新だったのかもしれませんけど。
この映画の魅力って前半と後半のギャップってよく言われますね。
前半はクライム・ロードムービー、後半がモンスター退治ものって感じですかね。
確かに前半のシーンに、後々モンスターが出てくるって布石は全くなかったみたいですし、予備知識なしで観ると、この劇的な変化にビックリするでしょう。
でも、もうこの映画が有名すぎて、この映画をネタバレなしで観るのは難しくなりました 笑
もし叶うなら、この映画を全く予備知識がない状態で観てみたいです。
あの急にモンスター映画になる瞬間は、きっと呆気にとられて気持ちよかったでしょうね。
僕はこの映画をDVDレンタルして観たんですけど、特典映像で予告編も付いていて、それを観るとモンスターの登場シーンも映ってるんです。
つまり、急にモンスター映画になるっていう劇的な変化を、この映画のウリにしてないんです。
最近の宣伝だったら、予告編にモンスターは映さないでしょうし、「衝撃の展開!」とか「あなたはきっと驚かされる!」みたいに煽ってくるでしょう。
そこを狙わずに、あの変化点を作り上げたのなら、この映画の脚本は大したものです。
ジョージ・クルーニーって今までカッコいいと思ったことなかったんですけど、この映画の彼はカッコよかったですね。
僕は正統派ヒーローより、ダーティーなヒーローの方が好きなんですけど、この映画の彼は後者です。
前半は平気で人を殺す残酷さを見せます。
店主が中にいるまま酒屋を爆発させるんですが、外に出たあとは酒屋に背を向けたままで、弟と世間話をしながら歩いていくシーンがあります。
このシーン、めっちゃカッコいいですね。
普通だったら燃える酒屋をじーっと見て、爆発の瞬間ビクッてなりながら「うっわ、めっちゃ爆発してるやん!」とか言っちゃうと思います。
けれど、彼は見向きもしないし、驚きもしません。
もうこんなの見慣れた光景だから見るまでもないし、驚きもしないと言わんばかりに。
彼が修羅場をくぐって来たってことを印象付けるのに効果的なシーンでしたね。
モンスターが出てきた後は、女の子に対して優しさを見せます。
女の子だけじゃなく、女の子が大切に思っている父親や弟とも何とか助けようとするし。
ラストシーンもいいですね。
女の子を連れて行くか、置いて行くか、結末は2パターンに分かれるかと思うんですが、僕は置いて行って正解だったと思います。
これが逆の選択だったら、ジョージ・クルーニーのキャラクターへの評価はちょっと下がっていました。
女の子を連れて行く主人公よりも、置いて行く主人公の方が僕は好きですね。
そして、この結末が僕にとっては正解なので、いい印象でこの映画を観終えることができたんでしょうね。