3年ほど前にDTMを始めて以来、
みんながどうやって曲作りをしているのかは常に気になるところです。

そんなわけで、いかにもなタイトルの本を購入してみました。



お手本となる楽曲の制作過程をコメントと共に紹介するという形式なのですが、
この本の良いところとしては、
・最後に全パート(楽器)の楽譜がある
・使用ソフトの画像や明記がある
・シンセの用語やDAWの基本的な操作も解説している

多分、1曲丸々の楽譜を用意していたり、ソフトの具体的なパラメーターを見せたりしている点が売りなんじゃないかと思います。

対象購買層としてはおそらく初心者向け。
というのは、巻末に「20~30トラックもある楽曲を作ってみようぜ!」みたいなことが書かれています。
そこそこ作曲をしている人だと「ドラムだけで10トラック以上ある」「コーラスだけでLR3本ずつある」とか当たり前だと思うんですが、初心者はそうはいかないでしょうからねぇ。
しかも使用しているソフトがRealStratとかXpand!とかなので、取っ付きやすさはあるかもしれません。



しかしながら、大きな欠陥がありまして。。。
・お手本楽曲のジャンルが実用性のないポップス系インスト
  :地下アイドルのCDの2曲目に入ってそうな曲です。誰が得するんでしょうか
・完成楽曲のサウンドファイルがない
  :楽譜や紹介とともに各所に音源が用意されているんですが、肝心なものがありません。
   何を考えているのかよくわかりません
・中級者以上にとっては正直・・・
  :先述の通り「20~30トラック」が1つテーマなので、仕方ないかもしれませんが。

※中級者とは「ドラムはパラ出ししてる」とか「オートメーションも書いちゃうぜ!」みたいな人ってことで。

結果としてそこそこのレベルの人が得られるであろうものとしては、
・サブベースの入れ方
・スネアとスネア・キックとキックの隙間(叩いてから次に叩くまで)どんな音を入れたらノリがよくなるのか
くらいしか思いつきませんでした。



結論としては、初心者の「どんな感じで作曲を進めるのか」という疑問は解決されると思います。
中級者の「プロがどうやって作り込んでいくのか知りたい」という興味は満たされません
セオリーという言葉がしっくりくる書籍だと思います。




以下、独り言。
この手の書籍はお手本が良くないかなぁと。
もうちょっと派手な曲とかメリハリのある曲にすれば「おおっ!?これどうやって作ってるんだ?」みたいになりそうですが。購買層が見えにくいんですかねぇ。
そして楽曲ジャンルは大抵EDMかインスト。
ポップスやロック系の歌ものって、見たことない気がします。
・使用ソフトや機材の明記
・パラメーターの設定や画像完備
・TDまで含めた一連の流れを事細かに解説
した本が一冊くらいあっても良い気がします。

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