父のこと
私が育った家庭は、父方の祖父母と私の妹の六人家族だった。
父は、ともかく無口で母とだけはよく話すけど
子供とはコミュニケーションをとろうとしなかったので
父親でありながら話したことも遊んだこともないという
奇妙な関係だった。
祖父は、商売人で社交的な人だったので
私はとても可愛がられた。
なので、父の代わりは祖父がしてくれていた。
子供の頃は、無口で無愛想な父が恐くて仕方なかったし
愛されていないと感じていた。
未だに、父親と二人きりになると話が出来ないけれど
今は、父親の気持ちがわかるようになったので
愛されていたんだと感じることが出来るようになった。
「不器用なんだよね、お父さん」
私が幼い頃から父が恐ろしかったのは
勤めていた母の帰りが五分でも遅くなると
玄関で待ち構えて、母が帰ってくるなり母を怒鳴りつけて
よく祖父母が止めに入る姿を見ていたのも原因の一つだったと思います。
なので、母は、私が小学校を卒業する前あたりからは
仕事を辞めて専業主婦になりました。
私が父から受けた影響で良かったのは
読書が大好きになったことだと思います。
父の姿で覚えているのは
いつも本を読んでいたのと
絵を描くことでしたから、しかし
私は残念なことに、どうも絵を描く方はダメでしたね。
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