台北市の前市長・柯文哲(コ・ウェンジャー)は、京華城の汚職事件に関わったとして収賄や背信などの罪で起訴され、300日以上勾留されていた。昨日、保釈金7000万元を支払い釈放されたが、出てきた直後から「検察は1年調べて何も出なかった。京華城は冤罪だ!」と強く批判した。

これに対し台北地検はすぐに反応。「裁判所が柯文哲や市議の保釈を認めたことに対し、速やかに抗告する」と発表。さらに「柯氏の発言は事実に反し、世論を惑わせようとしている」と厳しく反論した。まるで裁判所の外で、言葉の殴り合いが始まったようだ。

柯文哲の反撃、冤罪アピールは通じる?

保釈後の柯氏は怒りを隠さなかった。「検察官に聞きたい。1年も調べて結局何が出た?何もないじゃないか!」「この数人の検察官が、台湾の司法への信頼を壊した」と声を荒げた。

さらに母親の何瑞英(ホー・ルイイン)さんも新竹で取材に応じ、「1年間証拠が出ないのに息子を閉じ込め続けた」と涙ぐんだ。親の心情も世論に響き、同情する声も少なくない。

だが「冤罪だ」という主張が社会全体に受け入れられるのか。それとも政治的なポーズに過ぎないと見られるのか。判断は分かれる。

検察の反論、本当に「証拠ゼロ」なのか?

検察はすぐさま反撃。「起訴状には証人や物証、書類証拠を細かく記載してあり、3冊・894ページに及ぶ」と説明。さらに裁判の過程で証人尋問も行い、証拠調べを尽くしたと主張した。

加えて、裁判所はこれまで勾留を3回延長しており、その都度「収賄や背信など重大な嫌疑がある」と判断していた。これらの経緯を踏まえれば、柯氏の「何もない」という発言は事実と大きく違うと断じた。

最後に問われるのは「信頼」

果たして冤罪を訴える柯文哲が勝つのか、それとも検察が証拠で有罪を示すのか。これは単なる裁判ではなく、社会全体の「司法への信頼」を試す一件でもある。

支持者は「政治的弾圧だ」と信じ、懐疑的な人は「証拠があるから起訴された」と見る。この分断は司法への信頼をさらに揺さぶっている。

最終的に勝つのは法廷か、それとも世論か。台湾社会は、この二重の戦いにどう向き合うのか──それこそが本当の焦点だ。