村上春樹氏の新著を読みました。
ネットで見かけて、発売日を確認すると4月23日。
知らなかった!と早速入手。
ハードカバーのしっかりした新書版。
見開きのイラスト多数、あとがきまで含めて100ページほど。
父親の人生を時系列で整理し、
そこに自分との思い出をはめ込み、
俯瞰して把握する。
そんな内容。
短くて淡々としていていますが
村上氏と父親の関係を実感を持って読むことが出来ました。
もちろん自分とは父親との関係も年代も違いますが
父親と息子の間の距離感など大枠での共通点を感じました。
「ねじまき鳥クロニクル」は
「過去の様々な因縁が収斂して現在の出来事の遠因になる」
という構成ですが、主人公と親の関係が描かれない。
「海辺のカフカ」「1Q84」では非常に特異な親子関係が描かれています。
ほかの短編の親子関係やエッセイなどから両親とは疎遠なのかな?
という印象を持っていました。
そのあたりの経緯の棚卸的な意味合いもあるようです。