公開早々見てしまいました!
バイク・クルマ関係、しかも漫画の映像化には
あまり、というか全く期待しないのですが予告編を見て
「もしかしたら」と思ってしまったわけです。
 
DVD化も怪しいので勢いのあるうちに。
 
単館上演、公開2日目の第1回目というタイミングでしたので上演30分前には
館外まで列が伸びていました。
全自由席、ほぼ満席。
最近はガラガラのシネコン、指定席ばかりでしたが、
ちょっと前まで映画ってこういうふうに見ていたんですよね。
 
ヘルメット持参、ライディングウエア率高し。
 
肝心の「出来」ですが、
「よく頑張った。でもツメ甘い」
って感じでしょうか?
 
原作のストーリーやビジュアルはそこそこ追えてました。
途中でロックバンドの演奏シーンとか全開走行中に欝顔での講釈とかなかったし。
前半、夜の首都高とか箱根のシーンは迫力アリ。
バイクを知ってる人達が作ってる感はある。
 
問題点。
40歳目前の「成熟は老いであり、若いときに燻ったままの想いを実現する最後のチャンス」
という焦燥感の表現がイマイチ。
キリン真木蔵人は見た目は確かにカッコイイおじさんですが中身が成熟している様に見えない。
もっと成熟している(老いている)ポルシェ橋本は病んだオタク風なのは良いがやはり幼い。
連載当時の40歳と今の40歳ではいろいろ違うのだろう。
だいたい、今バイクなんかに乗ってるの、オジサンばっかりだし。
 
村上春樹のパクリ台詞を削除したのも残念。
実はアレが胆だったのでは。
開き直ってそのままにしておけば良かった。
 
あと、「外に向かう速さと内に向かう速さ」云々もよくわからない。
連載当時からこれは疑問だったので映画固有の問題ではなく、
原作由来だから仕方ないのか?
速さ=クローズドでのラップタイムでしょう?
それに批判的なのが気になる。
元マン島優勝の夏木陽介までそれに与してるのは如何なものか。
 
「バイクに何を求めるか、多様な価値観があり
どれを選択するかは各自の自由。
その結果がどうなろうと各自の責任。
批判は覚悟の上、というか関係ない」
 
そういうことだとは思うのだけど
それならば思い切り公道バトルの快感を表現する作品にすれば良いのに。
原作はある程度出来ていた(というかそれがウリ)と思う。
どうしても反社会的な作品なのだから。
白バイ振り切るシーンは必要だ。
 
東名バトルのシーンは残念だけど仕方がない。
昼間だし、直線ばかりだし。
BGMもちょっと頓痴気。
頑張って好意に解釈しないと「コント」に見えてしまう。
頑張って走るクルマとバイク計4台があんなに接近しっぱなしだったり、
短時間で抜きつ抜かれつは余りにも。
漫画表現とは違っても広角ヘルメットカメラ+早回し、素早いスイッチングで
もう少し何とかならなかったか。
 
でも2時間弱、あっという間。楽しめたことは確か。
チョースケとモヒは好印象。
線が細い、アクが薄い等あるけどあれはあれで。
「ホリゾンタルグレイ」編が(きちんと作れるなら)見てみたい。
 
ムリだな、「300km/h」だもの。