ハードコア時々ドリーミー・エレクトロニカ!

 

メリーランド州ボルチモアで2010年に結成されたターンスタイルによる3rdGlow On”。

 

 

彼らを知ったのは確かYouTubeのライブ映像だったと思う。ステージでイカれながら熱唱するボーカルと、それに負けない熱狂的なオーディエンスの塊に圧倒された!

レッチリがアンダーグラウンド・シーンから出て来た時って、こんな騒がれ方をしたのかなあ、と想像した。

 

 

本来ならファースト・アルバムから順に聴きたかったのだが、まさかの廃盤?のためか、どのショップもCDの取扱いがない…。

そのため、現時点での最新作である今作を購入。これが、予想を軽く超えるとんでもない作品だった!

 

1."Mystery"

アンビエントなエレクトロからニルヴァーナっぽいギターリフがイン!ミドルテンポの重量級ロックへ!一気に耳を持っていかれる!

 

2."Blackout"

サビでアンセム級のキャッチーさ!転調もカッコよく、多彩な音使いを見せつけるドラムがいい仕事してる!

 

3."Don't Play"

ハードコア街道まっしぐら(笑)カッチョいいの一言!こんな極悪サウンドに突如としてサビでビアノを織り交ぜてくるという心憎さ!

どことなく、パンテラを思わせるグルーヴ・メタル的な要素もあって面白い。

 

4."Underwater Boi"

フランジャーを使っているのか?空間系ギターの音色がいいアクセントになっている。そこから、重たいザクザク・ミュートギターへ。これが超絶気持ち良いのだ!サビのジュリアン・ベイカーのコーラスもドリーミーで心地よい。中間の超短いギターソロは、まるでゲイリー・ムーアのようで哀愁たっぷり。

 

5."Holiday"

ベースリフから徐々に盛り上がりを見せ、サビが超絶キャッチー!ドラムがホントいい仕事してる。ここでもいろんなテクを入れてくる。

 

6."Humanoid / Shake It Up"

シンプルなハードコア!何も考えずに乗るしかない!

 

7."Endless"

こちらも前曲同様アップテンポに攻める。このシンプルなバンド・アンサンブルを求めていたのだと嬉しくなる。サビ前の「イェーイイェーイイェー!」も合唱必至だし、本サビは更にキャッチーで、コーラスも素晴らしい。

 

8."Fly Again"

ピアノによるイントロから、やはり(笑)ミドルテンポの重量級ロックへ展開!空間系リードギターがいい仕事してる。激しいのにキャッチーなのは叫ぶだけではない様々な表現ができるボーカル、ブレンダン・イェーツの声音のためか。

 

9."Alien Love Call" (featuring Blood Orange)

まさかのドリーム・ポップ!ディストーションは一切かかっていない。このバンド、こんな曲もイケるのか!レンジの広さにただただ驚くしかない。

 

10."Wild Wrld"

アップテンポのハードコアで攻める!ブレイクのテンポを落としてからのバンドの一体感が半端ない。

 

11."Dance-Off"

音は剛鉄だけど、メロディはキャッチー。これが彼らの魅力なのかもしれない。ワーミーペダルを使用したギターソロも面白い。そして、音に隙間を与えることも厭わないところま好感が持てる。

 

12."New Heart Design"

ギターカッティングから始まる、これまた新たな一面を覗かせる。かと思いきや、サビでは轟音でキメてくれる。アレンジを工夫することで、リスナーを飽きさせない。

 

13."T.L.C. (Turnstile Love Connection)" 

正統派ハードコア。転調後のザクザク・ミュートギターがとにかくカッチョいい。ぶつ切りのようにバンド・サウンドが消えた後の、エレクトロなアレンジも面白い。

 

14."No Surprise"

15. アンビエントなエレクトロ。1分に満たない小品。タイトルとは真逆で、ホントいろんなサプライズが用意されていて全く飽きない!

 

15."Lonely Dezires" (featuring Blood Orange)

ポップ・パンクと言ってもいい、今作中最もキャッチーな楽曲。ボーカルは深いエコーがかかっており一筋縄ではいかない。

こんなところがピッチフォークに好かれる要因か(笑)ピッチフォークに好かれるバンドはマニアックなバンドか多いが、彼らはポップさを忘れていないのがサイコー&クールだ!

 

 

パワーコード主体で特別難しいことをしているわけでもないのに、なげここまで新鮮に聴こえてくるのか…。たぶんここ数年ここまでギターが前面にフューチャーされたロック作品を久々に聴くことができなかったからかもしれない。

 

最近のポップパンク・リヴァイヴァルも、マシンガン・ケリーを筆頭にギターの高音が削がれて低音でヒップホップに負けないリズム主体のミックスか多かったため、これは嬉しい驚きだ。

 

そして、様々なジャンルを横断できるレンジの広さと、それを自分たちの色に染めることができるバンドの天才的な才能にはひれ伏すしかない。

 

全15曲34分というハードコアらしい潔い短さ(笑)の中で、次はどんな曲が飛び出してくるんだろうというワクワク感が半端ない。

全曲捨て曲なしの名盤!

 

 

オススメ曲

正直、今作はアルバム一枚が塊のように押し寄せてくるため、どれかピックアップするのが難しい…。(もちろん単曲で見ても捨て曲などない)

でも敢えて選ぶとするなら

 

4."Underwater Boi"

まず、こんなタイプの曲もできるの?という驚き!そして、ポップな中にも決して激しさを忘れない所にハードコア魂を感じ好感が持てる。

 

評価★★★★★(星5つが満点)