秋の温かさを遮るように並ぶ冷たい鉄の棒に囲まれた部屋に僕はいた。
時々五感を断ち切りたくなるような。
壁にはいろんな言語が書かれてある。
記憶に残る言葉は一つだけ・・・
「オーアイニー」
絶えず訪れるものは、苛立ちでも空腹でもなく不安だった。
過去にここに居た異国の民も、同じものを感じたのだろう。
家族はわかってくれる。
友は笑い飛ばしてくれる。
もう一つの大事なものは・・・確信めいたものは何もない。
同じカテゴリーにあったものが姿を変えた。
それを確かめる術も見つからない。
無力だ。
無力だ。