タイトル「世に咲き誇った」
作:faiya123
一筋の光もなく、暗い洞窟を壁伝いに歩き続け、どのくらい歩いたのだろうか?
鬼が住む場所と古より伝わるこの洞窟を進む男の胸の中は、怒りのみで、この洞窟を進んでいた。
男の名は喜兵衛。
数日前に人ではない妖の類の者共に村を襲われ、親と兄弟、そして村人が殺され、
生き残ったのが喜兵衛のみであった。
喜兵衛は、瀬戸内海に浮かぶ大崎上島に3つの村
大崎村 木ノ江村 東野村があり東野村に住んでいた。
喜兵衛は、15歳の若者であるが、父親が嵐の日に海の様子を見にいったきり行方不明となり、
漁を生業とし一家を支えていた。
大崎上島は、形は淡路島に似ており、周囲30キロ程度、
淡路島は周囲300キロで10分の一くらいの大きさの島で
喜兵衛の住む村、東野村は、外表、鮴崎、垂水、古江、白水、小原、上組、下組、矢弓、大田で成り立つ村である、
喜兵衛は、垂水に母親、弟、妹の4人で貧しいながらも暮らしていた。
そして、喜兵衛の運命が変わる日、
喜兵衛はいつものように朝早く日が昇る前から漁に出かけ
いつものように外表の沖合いに船を出し漁をし
お天等さんが顔を出し周りが明るくなりだした頃に・・島の空、
古江の上空辺りが赤く染まるのを見た。
火事か?と喜兵衛は思い、定置網を仕掛け直して島に向けて少しの不安を感じながら漕ぎ出した
漕いでる間にも空は、赤く染めていく範囲を広げていた。
只事ではない事態が起きていると直感したが、
まだ火事が広がっていると思いながら船を漕ぎ続け
生野島と島の間に馬の背と呼ばれる所があり、
その場所まで漕いで来た時に、微かに人々の悲鳴のようなものを聞いた。
そして、島中が虫の大群に包まれているような程、
虫・・動物が島中を覆うように、蠢いてる様に見え
だんだんと、島に近付いた時に、其の者の正体を理解する事ができた。
「鬼」だ・・・
喜兵衛はすぐに理解した時に船を漕ぐのをやめ、
ただただ眺めてるしか出来なかった・・・・

