霞家とコラボ 1DAY Adventure~ウンスver…? 16 | 壺中之天地 ~ シンイの世界にて

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韓国ドラマ【信義】の二次小説を書いています

イメージに合わない場合はスルーしてください

ガチャ、と玄関の扉を開けたウンスは、目の前に立つ、夫と瓜二つの男に一瞬で目を奪われた。
仕事から直接来たのだろう、スーツを着こなす姿はカッコ良くオシャレで、まるで俳優みたいだ。
その彼がウンスに向かって花束を差し出す。

「ウンス…これ…」

「えっ?私に??」

これは本当に現実?
夫と同じ顔の男から、同じ声で名前を呼ばれ、花束を差し出されている。
ウンスはシビれかけた脳にパンチを入れた。

しっかりしなさい、ウンス。
これは私にじゃないし、この人は私のヨンじゃない。
よく見たら体格も違う。
肩幅や手足の太さ、顎や首の太さなんかも。
それに年もヨンより下みたい。
忘れてはだめ、そう、私は今ミッション遂行中……正気を保つのよ……

すでに思考がおかしいが、そうでもしないと惚れ直してしまいそうなくらい、現代風のヨンがしっくり馴染んでいて(当たり前だが)カッコいい。


「どうした?気にいらなかったか?」

「ううん、そんなことない!とってもキレイ……ありがとう」

微笑んで花束を受け取るウンスの身体に、彼が手を伸ばす。

「ウンス、ごめ…」
「先にお花生けてくるわね」

ウンスはするりと彼の手をかわした。
花を手にリビングに戻って行く。


危なかった〜
動きがスマート過ぎる。あれでうちのヨンの強引さも持ってたら確実に捕獲されていたわね……


花を生けている間、ピリピリとヨンの視線を感じて、ウンスは居心地が悪くて仕方ない。
見られている。じっと。

もしかして……もうバレたとか?
嘘でしょ、早すぎるわよ…


「…なんだか今日いつもと雰囲気が違うな」

「え…そ、そうかしら」

ウンスは内心のヒヤヒヤを隠すように、過剰気味に笑顔を貼り付けた。だが、対するヨンの表情は硬くて、怒りを抑えているようにも見える。

「そんなワンピース持ってたか?」

「ええ、あったわよ…?(クローゼットの中に)」

「サイズ……少し小さいんじゃ…
それで外に出たのか?」

声が、感情をグッと抑えるように低くなった。
ほんのわずか眇られた目から放たれる視線が鋭く突き刺さる。
ニット越しに体型の違いを探ろうとしているのだろうか……?
怖い。怖すぎる。目を合わせられない。

「あ、あらやだ、いつの間に太ったのかしら…」

グッと腹筋に力をいれ、腹を引っ込めた瞬間、背中にツーっと冷や汗が流れた。


「それに…化粧もいつもと違うな」

ヨンの声のトーンがまた一段下がった。

刑事ドラマで絶壁まで追い詰められた犯人の気分だ。
ああ、もうここまでか…と思った瞬間、彼はどう言うわけか、はぁっと短い溜息をついて言った。


「…やっぱりまだ怒ってるんだよな…」

機嫌を伺うように、ウンスを上目遣いで見つめる。

「………?」

この二人って……喧嘩してたの?
そういえば電話でも謝ってたような記憶が…?
このお花もそういうこと?

ウンスの頭の中でカラン!と閃きの鐘が鳴った。

これは……逆転のチャンス…!

怒っていると思ってるなら、その方がウンスにとって都合がいい。
スキンシップを避けられるし、優位に立てる…

急に強気になった彼女は、ふふん、と内心ほくそ笑みながら、顔からは微笑みを引っ込めた。

「………そうね」

「悪かった……」

「どうしようかしら」

わざと冷たく突き放してみる。
すると、縋るような漆黒の瞳が揺れて曇った。

ドキン!

なんだろう……
罪悪感の奥に感じるこの胸の高鳴り。
なんだろう、この庇護欲をくすぐるような可愛さ…夫の中には……絶対にないモノ。
……危険だ。

ウンスは動揺を誤魔化そうと視線を彷徨わせた。
すると、テーブルの上に白い紙袋が乗っているのが見えた。

…あの紙袋は…もしかして電話で言ってた……


「ああ、そうだ、これ買ってきた、好きだろう?」

ウンスの視線の先に気付いて、ヨンが白い箱を出してウンスに渡した。
ずっしりと重い。
箱を開けると、色とりどりのフルーツが盛られたタルトがぎっしりと並んでいた。

「うわぁ!!」

ウンスの目がゲンキンにも箱の中に釘付けになる。
あっという間に、ぱあっと満面の笑顔になった。

「すっごく!すっごく!美味しそう!!」

期待以上の反応を見せるウンスに、ヨンは戸惑いながらも照れたように笑った。

「別にいつもの店なんだけどな…?
しかもウンスの好きな巨峰のタルトが売り切れだったし……。
代わりに色んな種類買ってきたけど、そんなに喜んでもらえるとは思わなかったよ」

「こういうの、すごく食べたかったの…!
ねぇねぇ、お腹空いたわ。
ご飯食べよう、急に仕事呼び出されたものだから、買ってきたものしかないけど…お酒もあるわよ」

ウンスはテーブルの上に買ってきたものをせっせと並べる。

「……それも今食べるのか?」

タルトまでデリと一緒に並べるウンスにヨンが不思議そうに尋ねる。

「ええ、だめ?」

ウンス的には食べたいものは、食べられる時に、食べておきたい。
後どれくらい時間があるかわからないのだから。

「駄目じゃないが…
いつもは食後に美味しいコーヒーと食べるって言うだろ……珍しいな」

怪訝な顔で首を捻るヨンに、ウンスがパンと手を叩いて言った。


「そうだ!
私あなたとやりたいことがあるの。それを聞いてくれたら許してあげる」






こんにちは!
このコラボも、残りあと二話ずつとなりました

今日は、私達二人がどのように、この話を作っているかという、プロセス話をさせてください〜ニコニコ

基本はLINEでのやり取りで、アイデアが浮かぶと、まずこんな路線で行こうと思うけど、どう?アリかな?
とお伺いをたてます

OK〜ってことになると、下書きの時点で一旦送ります

このセリフおかしくない?
ここの間取りはどうなってんの?
ここはこうした方がいいんじゃない?

といったやり取りが何度もあって、最終的に
これでアップするよー
コメントこんなの入れるよー
という連絡を入れ、最終チェックを貰って、やっとアップします

私はとにかく、書き直し魔なので、見せる度に話や言い回しが変わってしまっていて、
『アレ削ったの?戻してー』
と、クレームが入ることもしばしば

前回の話も、削ったネタを戻せと脅されましてガーン(最終チェックで見逃したらしい)こっそりさっき戻しております
悪しからず……

そんな訳で?とっても仲良く楽しくやっている私たちウインク

最終まであと少し、
そんな私達と二組のカップルの応援の方、引き続きよろしくお願い致します🙏


次回、あちらは王宮!
誰が出てくる〜??
(実はまだ私も知らない……つまり書けてないそうです、がんばれ……)