(んもう〜!!こんなにハイヒールって歩きづらかったっけ)
ウンスがクローゼットから選んだのは、ベージュのニットワンピース。
ボディコンシャスなデザインは、ウンスの身体の線を際立たせ、とてもよく似合っていた。
高麗生活で手に入れた、程よく筋肉のついた足が裾のスリットからちらちらと覗いて色っぽい。
あのクローゼットの中では珍しく攻めたデザインだった。
実はこのニットワンピ、こちらのウンスが昔買った物なのだが、ウンスが着るとどうしてもセクシーになりすぎる為、口うるさいヨンの小言を回避すべく、最近は着ていなかった服である。
だが、当然そんな事情をこのウンスが知るはずも無い。
久しぶりの洋服にテンションが上がった彼女は、その勢いでメイクも張り切った。
深いカーキのアイシャドウで陰影をつけ、きつめにアイラインを入れると、普段ノーメイクのウンスとは別人になる。
楽しい。もともとメイクは好きな方だ。
多少やり過ぎた感があるのは、こっちの化粧品の使い心地が良すぎて調子に乗ったせいもある。
おかげでウンスの狙った通り、大人のいい女路線に仕上がったわけではあるが、惜しいかな、
どうにも足元がおぼつかなくて、カッコよく颯爽と歩くつもりが産まれたての小鹿のような歩き方になってしまう。
(ぺったんこコッシンにすっかり慣れちゃってたのね……。
昔はこんなヒール、何でもなかったんだけど。
そういえば高麗に来た時に履いてたルブタン…あっという間にヒール折れちゃったわね…高かったのになぁ…
あの頃の私、ヒールの高さは女の幸せ度だと聞いて、やたら高いヒールばかり履いてたけど、あれ嘘ね)
たっぷりウィンドウショッピングでも楽しもうと思ってたのに、早々に足が根をあげてしまった。
ウンスは休憩しようと、懐かしのコーヒーチェーン店、スチャバへ滑り込む。
(あっ、今日アレがある!)
店内にかかっている【コーヒー&クリームフラペチーノwithコーヒークリームスワール】の看板。
季節限定のフラペチーノが完売した時のみ、ひっそりと販売される幻のフラペチーノだ。
昔のウンスは頼んだことはないが、病院にいる女の子たちは、こぞって買いに行っていた。
今、無性にそれに惹かれている…
甘いものに飢えているからだろうか。
「おはようございます!
あら、ユ先生素敵ですね、今日はデートですか?」
レジの前に立つと店員さんが声をかけてきた。
どうやらここのウンスの行きつけらしい。
「…えっ…?!……ええ」
一瞬驚いて緊張したものの、全く疑う様子はない。ウンスはほっと胸を撫で下ろす。
「いつものですね!
すぐご用意しますので」
満面のサービススマイルに、きびきびした動き。バックとの連携もバッチリだ。
「あっ、ちょ…」
呼び止めようとしたが、既にもうドリンクが出来上がっているのを見て、諦めた。
恐らく多忙なウンス先生への気遣いで、彼女の姿を見つけた時から準備され始めていたのだろう。
「どうされました?」
「いいえ…なんでもないわ…ありがとう……」
仕方なくウンスは微笑んで受け取る。
出てきたのはホットのラテだ。
これもキライじゃないんだけど…ああ…フラペチーノ…
バッグに入っていた財布から現金を借り(返すあてはないけど)、支払いをして席に着くと、隣の席の男がまさにそのコーヒー&クリームフラペチーノを飲んでいた。
(いいなぁ…やっぱり美味しそう…)
ウンスの熱い視線がその男の手元に張り付く。
それを感じたのだろうか、男がウンスの方に視線を向けた。
「…え??あれ??ウンス先生??」
その顔を見た途端、ウンスの目が驚きで丸くなった。
知ってる方います?
ス〇バの幻のフラペチーノ
私も今回調べていて、初めて知りました
今度見つけたらゲットしちゃおう
さて、ウンスは誰に会ったでしょう〜
霞家のキャラで、フラペチーノ飲んでそうなオトコ
もちろん高麗ウンスも知ってる人です
明日は霞さんち
ヨンに怒られちゃうのでしょうか
『お手柔らかにね〜!!』
~ウンスより
次はコチラ