飲食店スタッフのあるある | 店舗集客・企画コンサルタント 國本新太郎のブログ

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京都市の店舗サポート・システム開発会社です。

ホテルのスタッフといえば、「言葉遣いがしっかりしている」というイメージを持っている方も多いと思います。実際、私が勤めていたホテルの支配人も話し言葉にとても細かく、私も何度か注意を受けました。

入社当初、私は他人の言葉を気にしたことがなかったので、そんな支配人を「細かい人だなあ」と思っていました。しかしホテルの勤務経験を続けるにつれて、一度気になると「変な表現」を使えなくなってしまう気持ちも分かるようになりました。(文:ユズモト)

自分が変身するところを想像してフイタ!
ホテルで働き始めて1年目の、ある日のこと。支配人がアルバイトの子に、強い口調でこんな注意をしているのを耳にしました。

「『○○になります』は、絶対使っちゃダメ。『○○でございます』と言うように!」

お客様に何かをお渡しするときに「○○になります」と言うのは、間違いだとは知っていましたが、私自身はコンビニや飲食店で言われても、特に気にしたことはありませんでした。そこで私は、支配人がそこまで厳しく叱るのを不思議に思い、

「『○○になります』って、そんなに変ですか? 間違っているのは分かるんですけど…」

と尋ねてみたのです(いま考えると、なかなか勇気のある行動ですが)。すると支配人は「一回気にしだすと気になるよ、これ」と、こんな例をあげてくれました。

「俺、飲食店で『こちらパスタになります』ってパスタ出されたら、『え、じゃあこれは何ですか? 今からパスタに変身するんですか?』って言いたくなるもん」

その時は「ふーん」としか思わなかったのですが、その数日後のことです。ご飯を食べに行った飲食店で「お客様、グラタンになります」と言われたとき、お客である自分がグラタンに変身するところを想像してしまい、心の中で笑ってしまったのでした。

そのとき初めて、今まで意識してなかったけれど、確かに「○○○になります」って変な表現だなと納得すると同時に、「気になってイライラする人もいるんだろうな」と気づいて、正しい言葉で話すことの大切さを実感したのでした。

「よろしかったですか?」に関する是非を考える
それからは、「今まで私の言葉が変だと思っていたお客様もいるかも知れない」と少し不安にもなり、以前よりも言葉遣いに気を遣うようになったのでした。

余談ですが、これも接客でよく使われる「よろしかったですか?」という言葉について、「間違いだ」とする説と「間違っていない」とする説があるという話を聞いたことがあります。

間違いとする理由は、「よろしいですか?」という表現を過去形にするのは文法的に有り得ないし、初めて聞く質問を過去形でするのはおかしいから、だそうです。

一方で、間違っていないとする理由は、お客様から過去に聞いた内容を確認しているのだから、過去形表現でOKとする考え方があるそうです。過去形にすることで、問い詰めるようなキツイ印象を弱める効果があるという説も。

この話を聞いたとき、「よろしかったですか?」を使う人の中にも「自分は正しい!」というポリシーを持ってあえて使っている方もいるのかも知れないな、と思いました。

ただし私自身は、不快に思われる方が多数いることを分かっていながら、あえて頑なに「よろしかったですか」を使う勇気はないので、使ったことがありません。