私は友人のツイートで訃報を知りました。
タイムラインに流れる「後藤騎手 死去」の文字。
その後、彼が自殺であったという事実を知り、深い悲しみに暮れました。
午後は元々23区内で用事があり、それが終わったのは16時頃でした。友人と別れて1人になると、再び深い悲しみに襲われました。
土曜日に予定が入っていて競馬場に行けないこと、帰り道の途中に東京競馬場があること、後藤騎手にどうしても別れのあいさつをしたいという思い。
様々な理由が重なった結果、金曜日ではありましたが東京競馬場へ向かうことにしました。
17時、私は馬頭観音の前にいました。

近くの花屋、「花きく生花店」で500円のお供え用の花束を購入し、足早に馬頭観音へ向かいました。
花屋の店頭に並ぶ数多の花束を店員さんに丁寧に見せていただき、その中から、赤い花が真ん中に儚げに咲く花束を選びました。
府中へ向かう電車の中で、シゲルスダチの勝負服であった赤と緑の花束を供えようと決めていました。
馬頭観音へ向かうと、男性が1人馬頭観音の道を挟んで反対に自転車を停めて立っていました。
その方を横目に私は馬頭観音の目の前まで行き、花束を供えて手を合わせました。
「後藤騎手、長い間お疲れ様でした。まだ信じられませんが、今はとにかくゆっくり休んでください。それから、今週も普段通り競馬開催が行われることと思いますが、出走する全ての競走馬ならびに騎乗される騎手のみなさんが無事でありますようお祈りいたします。」
馬頭観音でお願いしたのはこんな感じのことです。
それから隣の神社へ向かい、お賽銭10円を投げ入れて同じお願いを。

花束とお賽銭、合わせて510円。
ユーモア溢れる後藤騎手を笑って送ってあげようと、自分なりに精一杯考えた最後の語呂合わせ。
ただ、やはり笑うことはできませんでした。
献花も終わり、その場を後にしながら後ろを振り返ると、自転車の男性が馬頭観音へ向かっていくのが見えました。
きっと来たはいいもののどうしていいか分からず、その場に立ち尽くしていたのだろうなと感じました。
その方がお参りするきっかけになれたのであれば嬉しいです。
その後近くにある「cafeあおば」に向かいました。お店の存在は知っていましたが、中に入るのは今日が初めてでした。
メニューをしばし眺めた後、あおばブレンドという特製のコーヒーとベイクドチーズケーキを注文。

お店にいたのは2人のお客さんと2人の女性店員さん。
お客さんのうちの1人はレジ前の席に座り、女性店員さんと後藤騎手の思い出話を熱く語っていました。
もう1人のお客さんはお店の奥に座り、静かに時間を過ごしていました。
競馬ファンの方かどうかはわかりませんでしたが、私には静かに思いを馳せているように見えました。
私は直前にコンビニで買った新聞の後藤騎手の記事に目をやり、携帯で後藤騎手に関するツイートをひたすら読み漁り、気づけば店内で1時間以上過ごしていました。
深みのあるコーヒーに、甘さが程よいチーズケーキ。
私の心を落ち着かせてくれました。
突発的に府中へ来てしまいましたが、きちんと後藤騎手へ思いを届けられた気がしました。
土日にはいつもと同じように競馬開催がありますが、今週はどうしても予想に私情が入ってしまいそうです。
予想家失格ですね。
後藤騎手、お疲れ様でした。
