別に月明かりの中を歩いてるわけではない

職場から

東の空を見たら

今夜の月が大きいこと

地上110メートルの

ここからは東京のビル群の先の

その先の山々まで

見渡せる

夜景の

明かりの下

それぞれに

ドラマがあるのだろうと

随分沢山の明かりがあるなとか


田舎から帰る途中

父の運転する車の中から

遠くの山の中腹にある明かりや

北上川の対岸の街灯や

沿道に並ぶ民家の明かり

それを見るのが好きだった

どんな人達が暮らしているのか想像し

嘉門達夫の鼻から牛乳など

聴きながら

まだカセットで

その間

車は目的地に進む

未来へ進んでいく

あの道を

今度は僕が運転しよう

26年前

従兄弟の家から

早朝に従兄弟と

自転車で50km離れた

田舎の祖母の家に行く

前日の夜

ワクワクして眠れず

壊れかけのRADIOを

聴いた時

東京を夢見た

大きな月を見ながら思った

ここは東京なんだなと
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