ヒッキーソトニデテミターノ

「ヒッキーソトニデテミターノ」を観劇。パルコ劇場にて。作 演出はハイバイの岩井秀人さん。
この時期になると毎年パルコ劇場やコクーンに観に来てる気がする。普段は小劇場ばかりだ。僕は小劇場LOVEなんだな。いや、敷居が高いと思い込んでるのかも。実際値段が高いから行く機会も滅多にない。だから来るだけで高揚する。で観た後どっと疲れが出る。今回のこの作品は岩井さん本人が引きこもりの経験がある人なので、それだけでとても興味が湧くが、引きこもりの話をどうやるのか、それをパルコでというのが非常に楽しみにしてたのだ。なぜか平田オリザさん関係の人の舞台はこれまであまり観る機会がなくハイバイすら観た事がない。でも岩井さんはゴールデン街でやったジェットラグや知り合いの劇団にゲストで出演してたので、一方的に知っている。因みに僕と同じ誕生日である。
今回のこの舞台は美術はシンプルで音も一切なく、照明も作り込んでるわけではなくて、あっさりしていた。だから立ってる役者に集中する。集中し過ぎて疲れが。しかし、主演は吹越満さん。吹越さんは身体の動きが可笑しく、とても細かい。目が離せなかった。アフタートークで顔合わせの時に1番緊張していたらしく、見て手に取るようにその緊張した様がわかるという話にとても何故か嬉しくなった。
美術は上手く説明出来ないけど、舞台奥には長テーブルが二つあり常時役者が待機してる。それしか説明出来ない。
お客さんは相当笑っていた。自分の事を考えさせられたり台詞が色んなものを連想させるので、そこまでは笑えなかったが僕も要所要所で変な声を出して笑わせられてしまった。今まで出した事がない笑い声だった。それ以外はずっと苛ついてた。引きこもりしてる子が親に対してあまりに理不尽だったし、親も親でそれを許してる。僕はそういう事が1番嫌いだ。
芝居中でこんなやり取りがある。「人は何故、外に出ないといけないのか、わかる？」「それは幸せになる確率がぐんと上がるから。でも、不幸になる可能性もぐんと上がるけどね。」外に出る事。色んな場面に置き換えられる。その場、今いる場所、今の状況からとか。自分の心持ちを変化させる、とか。勇気を出すという事。思わず勇気を貰った。僕も外に出たいと改めて思った。恐れずに変化し続けたい。そういうふうに生きれたら、幸せじゃないかって、とても素敵な事だなって。それでもっと沢山の人に出会えたらいい。人生がわくわくするような気分にさせられるとても良い舞台でした。

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