ハロルドピンター「温室」を観劇。
新国立劇場 小劇場にて。
ハロルドピンターは解釈が人によって様々。別にわかりたかったから観に来たわけでは全く無い。僕個人的な理由でラスト五分のロブのシーンが観たかった。でも、蓋を開ければ段田安則さんが出演していた。高橋一生さん主演で小島聖の色気も出てて相変わらず良かった。若手には山中崇さんと橋本淳さん。そして原金太郎さんと半海一晃さんが脇を固めていた。皆、それぞれ素晴らしい!凄く得した気分。
舞台は円形に近い。2方向から舞台を挟む形になっている。赤いデスクやイスやソファー、全部赤。天井から大きなメガフォンの形のスピーカーが垂れ下がっている。上手と下手の壁は鏡でそのそれぞれ両端から役者が出はけが出来るようになっている。床は黒。
ハロルドピンターは淡々とした異様な冷たさの感じる世界観がある。だけど、もっと人間よりの色に近づけた方がもっと惹きつけられるような気もした。と、観てすぐはそう思うんだ。でも、後からジワジワやってくるのがピンターだ。実は一回目は話を追うので精一杯になる。(僕は一度で全部把握出来ない。(T_T))もう一度観ると役者どうしで色々やってるのに気が付く。そうすると、あそこはこうなんじゃないか?そこはそっちの意味でやってたのか、と解釈の問題になる。それが醍醐味だ。嘘。そんな事はどうで良い。僕の目的は最初に言ったようにラストのロブのシーンだ。ロブだ。予め聞いていたが、そのロブは想像を絶するロブだった。やり過ぎだと思うくらい不気味でリアルだった。個人対世界。僕は有名だから役者とは思わない。でもこの域の役者が実は殆どいない。
あのロブの芝居を観ると絶望する。「うん、元気そうだね。ほんとに元気そうだ。君はチョッキを着るんだろう、え?」「よかろう、(短い間)君は何故殺されなかったのかね?ちょっと聞いてみただけなんだが。」
なんであんな事が?没頭し、夢中で過ぎる時間。想像力。でも、そこまでの過程が素晴らしかったからだし、演出が良かったのだ。面白かった。もう一度観たい。1500円で観れる席もあるって言ってた。16日まで。さすが国立劇場。役者を云々の前に是非観て欲しい。
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