ザ.スズナリにて。ちからわざ第11回公演。「ハラナイ荘の人々」観劇。作 佐藤二朗さん。演出 堤泰之さん。

ハラナイって何かって、頑ばらない、見栄をはらない、気をはらない。
ハラナイ荘の人々は皆、それぞれ恐いものがある。恐怖症。その一つ一つは立っていられなくなるほど強く、その怖さと闘う話です。規模の大小は違えど、そういう人達は確かにいると思うし、またそういう人達の方が日々、慎重に真剣に生きているのかもしれない。そうであればいいというわけではないけど、生きる事の熱情を感じられた舞台でした。例えば鏡などに映る自分の顔を見るのが恐いので顔を大きいサンバイザーで隠していた音無さんが唯一それを取るシーンがあり、名前のとおり一言もしゃべらない音無さんの第一声。「がんばれ!」。仲間へのその一言が、えらく心に響く。ぽッと蝋燭に火がつくような。そっと。ぽッと。弱々しいけど揺るがないその一言。がんばれ!という言葉の意味が初めて腑に落ちたかもしれない。誰かや自分に言ってあげたくなる一言。忘れたくないシーンです。その他に倒置法が恐いおじさんとかペンや書くものが恐い女性とか。あれ、本間さんはなんだったかな!?役が強烈過ぎて忘れてしまう程。皆キャラクターが濃い。兎に角
佐藤二朗さんの物の見方というのがとても面白い。あり得ないけどありそうだと思わせられる。ドキリという瞬間が必ずあるんだ。前回のハルヲウルヒトも観たかったなと悔しい気持ちと温かい気分にさせられて、下北沢を後にしました。
photo:01






iPhoneからの投稿