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(プレジデントオンライン)

PRESIDENT 2013年9月2日号 掲載

「夏休み」とは、法的にはいったい何だろうか。

「実は、法律上の位置づけはあいまいなままにしている会社が多いのです」(労働問題に詳しい向井蘭弁護士)

法律上、休みは「休日」と「休暇」に分かれるが、夏休みがどちらにあたるのか、それすらはっきり決めていないところがほとんどなのだ。そもそも休日や休暇とは何なのか。

「休日は、労働者側から見るとそもそも働く義務のない日。一方、休暇は労働者の権利であり、休むか休まないのか、いつ休むのかといったことに関しては、労働者側がイニシアチブを持っています」(同)

休日には、法定休日と法定外休日がある。法定休日は、会社が労働者に最低限与えなければならない休日だ。具体的には労働基準法35条によって、毎週少なくとも1回の休日、あるいは4週間に4日以上の休日を与えることが使用者に義務づけられている。たとえば土日が休日の週休2日なら、土日のどちらか1日が法定休日になる。

その他の休日は法定外休日。法ヘッドホン 外休日がゼロでも法律に抵触しないが、休日を週2回にしたり、祝日や年末年始を休日として就業規則に定めている会社が多い。法定休日と法定外休日を合わせて所定休日という。

休暇も2種類ある。雇用契約上または就業規則上の休暇と、法律で定められた年次有給休暇だ。前者は慶弔休暇や結婚休暇などで、後者の年次有給休暇は、フルタイム勤務の場合、継続勤務年数によって最低でも年に10~20日発生することが定められている(労基法39条)。

では、夏休みはどれにあたるのか。これについては製造業とそれ以外で分けて考えたほうがいいだろう。

工場はみんなで順番に休むと効率が悪いので、休むときはみんなで休んでラインを止める。そのため休日として強制的に休ませるか、年次有給休暇のうち5日を除いた日数について、労使合意のうえで全員一斉に同じ日に有休を取る“計画年休”制度を採用する場合が多い。どちらにしても、休日か休暇かは明確であることがほとんどだ。

はっきりしないのは、ホワイトカラーやサービス業に多く見られるように、休む日を労働者が選べる会社だ。

「労働者が休む日を決められる点を考慮すると、夏休みは休暇のように見えます。ただ、慶弔休暇のように就業規則に明記されているケースは少ないし、休んだら年次有給休暇が減るわけでもありません。就業規則上の休暇でも年次有給休暇でもないとしたら、休日になってしまう可能性もあります」(同)

夏休みの法的位置づけがあいまいだと、トラブルが起きる可能性もある。たとえば夏休みを取らずに出勤した場合、夏休みが休日なら、会社側は時間外労働として割増賃金を支払わなければならない。しかし夏休みが休暇なら、割増賃金はなし。また、夏休みを取る日の決定も、休日なら会社が決めるが、休暇なら労働者がイニシアチブを取るという違いがあるからだ。

法的位置づけが明確な有給休暇ですら、給与や取得方法で法的な争いが絶えないのだから、それがあいまいだとさぞトラブルが多いと想像できるが……。

「労使間でトラブルになるケースは稀です。日本人に根付いた習慣だからでしょうか、夏休みには会社側も労働者側も寛容になっているようです。そこで争うことは感覚的に嫌なのかもしれませんね」(同)

(文=ジャーナリスト 村上 敬 答えていただいた人=弁護士 向井 蘭 図版作成=ライヴ?アート)