光と闇 | Factory Kakamuのブログ

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ファクトリーカカムは岐阜県の瑞浪市、屏風山の麓にてオーダーで家具を作ってます!!
幅広い広葉樹を使って制作しています。
一度ご相談ください!
www.factory-kakamu.com/

こんばんは
お弟子さんです。


工房は突如
闇に包まれた



台風21号の影響で停電した




何もない工房が
さらに何も無くなった


ラジオもねぇ
電話も通じねぇ
携帯の電波も弱ぇ



吹き付け巻き込む風
風に乗り流れる雨


入り口の窓から見ていたら

真っ白になった風が
こちらへ迫り来る


あまりの自然の猛威に
瞬きは出来ず
息を飲んだ



窓ガラスは
しぶきを一瞬で浴び
視界不良となる



工房の屋根の一部が取れ
屋根でバタンバタンと暴れている


次第に
工房の中は雨漏りしだした



今日
帰れないかな…




弟子がいつも座る
休憩の椅子に腰かけた



台風の行方を
携帯で調べようと



その次の瞬間!!!!!!!!!!!!!





パシャーーーーーン

音を立て
弟子の目の前を
ガラスが横切っていった




!!!!!!!!!!!!!!!!




紅葉柄の磨りガラスが割れた




あと少し前にいたら…
携帯を見てなかったら…



ガラスを浴びることも
怪我することも全くなく


色んな意味
強運であったが

恐怖へと
気持ちが落ちていった



日が暮れだし
徐々に暗くなる




電気の光とは
こんなにも人の気持ちを
安心させてくれるもとだとは
考えたことなかった



廃墟と化した工房

何とも言えぬ孤独
目の前でガラス割れたショックが
不安な気持ちで覆われた





……八重ちゃん

今は亡き
工房のおばあちゃん

八重ちゃんは
親方のおばあちゃんです


一緒におしゃべりしたり
野菜をもらったり
いつも気にかけてくれ
とても可愛がってくれた


そんな八重ちゃんに
伊勢湾台風の話を
聞いたことがある



木々は今みたいに
大きくなかったため

台風を強く受けたそうで
家が壊れ
あの日はとても怖かったと


愛情深い八重ちゃんは
涙なしでは聞けない話ばかりだった

おばあちゃんの事を思い出したら
少し元気を取り戻した弟子

風の吹く中だったが
無事帰ることができた


翌朝
工房はまだ停電していた