台風30号の直撃で甚大な被害を受けたフィリピンでは、13日だけで新たに500人以上の死亡が確認され、犠牲者は2300人を超えました。
フィリピン政府は警察や軍の態勢を強化して救援活動を急いでいます。
今月8日、台風30号が直撃したフィリピンでは、中部レイテ島の主要都市タクロバンなどが猛烈な暴風雨と高潮に襲われ、フィリピン国家災害対策局は13日夜、2344人の死亡を確認し、3804人がけがをしたと発表しました。
死者は13日だけで新たに500人以上が確認され、犠牲者はさらに増えるものと見られます。
今回の台風では合わせて19万棟近くの住宅が被害を受け、国連によりますと、54万人余りの人たちが家を失いました。
フィリピンには世界各国から大量の支援物資が届けられていますが、輸送手段や燃料が不足し、道路の復旧作業もはかどっておらず、こうした物資の多くが被災者には行き渡っていません。
日本を含めた各国からの支援が本格化するとともにフィリピン政府も警察などの政府機関の職員とフィリピン軍の兵士、合わせて1万3500人を被災地に派遣するなど態勢を強化して救援活動を急いでいます。
しかし、被災した市や町、集落はおよそ7500に上り、広い範囲に及んでいるため依然として要員や車両などが足りておらず、すべての地域で物資の配給などの支援活動が本格化するにはまだかなりの時間がかかるとしています。
「気圧の変化で耳が痛く」日本人証言
フィリピン西部の島で台風30号に遭遇した日本人女性は、「最も風が強いときは気圧の変化で耳が痛くなった」として、すさまじい暴風が吹き荒れていた様子を証言しました
福岡市の絹川麻由子さん(30)は今月8日、絹川さんは友人3人と共に、フィリピン西部のカラミアン諸島の離島の一つにあるリゾート施設に滞在していました。
夕方にかけて風が強くなり、絹川さんたちは施設側の呼びかけで木造の建物から2階建てのコンクリートづくりの建物に避難しました。
その日の夜、停電で真っ暗になるなか絹川さんは、「風で建物自体がかなり揺れて震度3ほどに感じた。最も風が強いときは気圧の変化で耳が痛くなるような状態だった。
いろいろなものがぶつかる音がして、死ぬかな、と思った」と、強い恐怖を感じたといいます。
絹川さんは、「木造の建物にとどまっていたら無事では戻って来られなかった。あらためて、すごい災害だったと感じる」と、当時を振り返りました。
アジア開発銀行が約23億円の緊急支援
アジア開発銀行は13日、声明を発表し、フィリピンの被災地への緊急支援として2300万ドル、日本円にしておよそ23億円を無償で供与することを表明しました。
さらに、長期的な復興支援のために5億ドル、日本円にしておよそ500億円の緊急融資を行う用意があるとしています。
アジア開発銀行の中尾武彦総裁は「必要とされる救援・復興を迅速に実施するため、フィリピンの国民と政府を全力で支援する」と話しています。
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