二十四節気では芒種に入りましたね。

梅雨がはじまる前のこの時期は稲や穀物の種をまく時節といわれています。私はこの春から農薬や化学肥料を使わない自然農法の農業塾に参加しているのですが、6月6日に田んぼに種を植えて育った小さな苗を一つ一つ雑草と区別して束にしていくという「苗とり」という作業をしてきました。

 

私はちょうど8年前の42歳の時、この時期にストレスと当時大好きだったコーヒーの飲み過ぎで健康だった体を壊してしまい1週間ほど入院しました。病名は大腸憩室炎と逆流性食道炎。病院を退院したころはすっかり治っていたし、お医者さんにも何を食べてもよいと言われていたのでまた元通りの食生活をはじめ、アルコールを飲んだり、キムチも食べたりしていたら数時間後強烈な倦怠感と胃酸があがり、吐き気におそわれ、胃酸抑制剤を飲むと収まるということを繰り返していました。

 

しかし、胃酸抑制剤を数カ月飲み続けているうちに翌朝強烈な下痢をするという事が毎日続き、そこから何を食べても吸収できず何もかもでてしまうような体になりました。気が付けば10キロもやせて、毎日朝から胃酸が上がり何を食べても胃酸で口の中は泡だらけになり、いつもフラフラで食欲もなく地獄のような日々を送っておりました。

 

これは食生活と西洋の薬の副作用だという事に気づき、そこから一切薬は受け付けなくなりました。そして闇雲に自分なりに食生活を改善し、なんとか昨年の春先には体重も元通りになり、スポーツクラブにも通い始めました。

しかし、外食も楽しめるようになった矢先にうっかりして胃腸のキャパオーバーをした食べ方をしたのか、4月に再度胃腸を壊しました。

下痢を繰り返しはじめ体重がまたもや減少し、夏頃には立っていることもままならず、寝ていることが増えるようになっていました。

 

これではいけないと藁をもつかむ思いで昨年の9月に薬膳の世界へ飛び込んだのです。振り返るとこれが私にとって新たな世界への扉を叩いた瞬間でした。

薬膳を通して自分の体のメカニズムを知り、今この瞬間の自分の体に耳を傾け、食べたいものを食べるのではなく体が必要としているものを食べるようにすることを意識することが重要だと分かったのです。

 

今は体の土台となる胃腸を回復する食材を食べるように心がけ、体質に合った漢方薬の力も借り、持病である逆流性食道炎には良くないといわれる酸味や砂糖の糖分の高いものは控え、唐辛子などの刺激物、アルコールやカフェイン類、腸に良くないとされる小麦は摂らないようにしています。

まだ体を立て直している最中ではありますが、昨年まいた薬膳という種は私の中で少しずつ芽を出しつつあることを実感しています。

体力的には駅の階段は1段飛ばして上り、畑仕事もし、時にはハイキングにもトライし、メンタル面も鍛えねばと思い、先日は神社で滝に打たれ禊の体験もしてきたところです。

こんな私が薬膳の講座もはじめてしまいました。

 

薬膳を勉強した先に手に入れたいもの、それは気を遣わずにほかの人と同じものを食べれることと自由にどこの国でも行けること。そして、お医者さんは病気をしたら体を治してくれるけどそのあと何食べたらよいのかなんて教えてくれないから、自分の経験を通して今体の不調で悩み、何を食べたらよいのかわからなくなっている人達の手助けできるようになりたい。それが私の心からやりたいことです。