(前回の続き)
宮島には厳島神社の摂末社がいくつかある。それらをいくつか巡ってから、ロープウェーで弥山(みせん)山頂と奥宮を目指す。
大元神社(おおもとじんじゃ)。厳島神社の摂社である。本社よりも古くから存在すると伝えられているそうである。まずまず好印象。
清盛神社。厳島神社の末社である。名称の通り、御祭神は平清盛。
平清盛の援助によって厳島神社は現在とほぼ同規模の、そして現在のような海上社殿になったそうである。
ちなみに今回の旅行では下関の赤間神宮という官幣大社にも参拝していて、そこに平家一門の墓があった。そして、隣のバス停が「壇ノ浦」というバス停だった。関門橋の下関側の辺りである。
次は豊国神社(とよくにじんじゃ)へ。厳島神社の本社から見えた五重塔はこの豊国神社にある。
1407年建立。重要文化財。
先日の山口大神宮・瑠璃光寺の紹介記事で、国宝である瑠璃光寺の五重塔を紹介したが、こちらもほぼ同時期の室町時代のもの。
このお寺の本堂みたいな建物は千畳閣(せんじょうかく)と呼ばれる。五重塔もそうだが、完全に神仏習合の名残り。というよりも、全く神社に見えない。豊臣秀吉が安国寺恵瓊(臨済宗の僧侶)に命じて建立したとのこと。現在は厳島神社の末社で、豊臣秀吉と加藤清正を祀る。
豊臣秀吉を祀る神社は豊国神社(とよくにじんじゃ・ほうこくじんじゃ)と呼ばれ、本社は京都。私は大阪城の豊国神社に参拝したことがある。
なぜ千畳閣と呼ばれるかは、この画像が説明している。ただし、本当は畳857枚分の広さであるとのこと。
神社なので本殿は存在する。実際に参拝していたのは私一人ではあるが。
ほかの人たちは座って休憩しながら景色を見るような感じだった。当社は小高い丘の上にあり、眺めは良い。
この後はロープウェー乗り場へ向かうのだが、途中にまた神社がある。
四宮神社(しのみやじんじゃ)。厳島神社の末社である。
この神社はとても気に入った。深遠で力強い場の気を放っている。厳島神社の本社と奥宮以外では一番良かった。
いよいよロープウェーへ。これがなんと往復1800円。記憶にある限りで一番高額なロープウェー。世界遺産だからって儲けすぎなのではと思ったのだが、乗ってみると(ある程度)納得。途中で乗り換えが必要で、全行程で片道最低でも20分くらいかかる。記憶にある限りで一番長いロープウェーでもあるのだ。
だから弥山に登る人はかなり時間に余裕が必要。もっとも、弥山に登る人は普通その日いっぱいは宮島にいるだろうが。ちなみに私はこの後も神社巡りをする予定で、宮島と同じ廿日市市内にある速谷神社(はやたにじんじゃ)という安芸国の二宮に参拝した後、広島に向かう予定になっていた。
終点の獅子岩駅と、その近くの展望台からの眺め。晴れていれば絶景かもしれないが・・・。天候は元々曇りだったのだが、この展望台付近にいる時に小雨が降りだした。
折り畳み傘は持っていたが、登山はどうなのだろう。このような時は念力を使う(笑)。太陽をイメージして・・・。これがなかなかバカにできない。無事、雨はやみ、弥山山頂への登山や奥宮参拝ができたのだから。
弥山山頂付近の案内図。ロープウェー獅子岩駅から徒歩20分で空海が開いた弥山本堂というお寺。弥山本堂からは山頂へも約10分、奥宮の御山神社へも約10分。
これが弥山本堂。空海像に向かって心の中で般若心経を唱えるなどするうちに・・・。
こちらの霊火堂の1200年間一度も消えていない火を見忘れた(笑)。写真を撮って、なぜかそのまま山頂に向けて歩き始めてしまった。
山頂へは約10分の登山。
山頂到着。すごい巨石群。
ロープウェー獅子岩駅が見える。眺めも素晴らしい。
山頂にこんな巨石って、いくらなんでも単なる自然の造形ではないだろう。高次元存在の仕業であろうか。
帰りの下りは先ほどとは違う道を行く。そして、弥山本堂まで戻らずに、御山神社(みやまじんじゃ)へ。案内板もあまり整備されていないし、勘が頼り。
はっきり言って見逃しても何ら不思議ではないが、なんとか鳥居を発見。
ついに奥宮である御山神社に到着。本社と同じく、宗像三女神を祀る。
品の字の形に3つの社殿。
手前左の社殿。
手前右の社殿。
奥の社殿。
どの社殿にどの女神様が祀られているのかは書いていなかったと思う。ただ、厳島神社は「いつくしま」=「イチキシマ」として、多分奥の社殿に市杵島姫命(イチキシマヒメ)という気はする。
見た目にも美しく、場の気もまずまず。
境内からの眺め。
この後、弥山本堂を再び通ってロープウェー獅子岩駅へ。奥宮の御山神社を含めて宮島の滞在時間は4時間半くらいを予定していたのだが、実際は6時間程度(昼食含む)かかった。
宮島の対岸、宮島口から比較的近いところに地御前神社(じごぜんじんじゃ)という神社があり、ここが厳島神社の外宮と呼ばれる。予定外に滞在時間が延びたため、結果的には訪問を予定していた地御前神社をパスすることになった。
ロープウェーを降りたのは、お昼時。そこで驚いたのが、これからロープウェーに乗って弥山に登ろうとする人たち。私なら1秒で諦めるであろう長蛇の列である。「これ、今日中に順番まわってくるの?」と思わされるような人の多さだが、皆諦めずに並んでいる。1時間程度では順番は到底まわってこないように思われる。
たとえ順番がまわってきたとしても、その日のうちに下山するのは結構大変なんじゃないかな。行きが長蛇の列なら、帰りも長蛇の列になるに決まっている。この季節でもロープウェーは17:00で営業終了。それに間に合わなければ自力で下山?
従って、早朝参拝は大正解だったということである。いくら人が多いように見えても、日中と比べれば10分の1くらいなのかもしれない。だから、厳島神社は早朝参拝を絶対的にお奨めする。
昼食を食べた後、再び厳島神社本社へ。潮位が上がっているはずなので、どうなっているか。
朝に一度チケット買っているから、再入場できるか訊いてみようと思っていた。仮にダメでも300円くらいはもう一度払っても良い。
ところが、やっぱり人が並んでいる。「うわあ」。私は列に並ぶのがかなり嫌いなのである。瞬間的に諦めてしまったのだが、今考えると、やっぱり並べば良かった。こちらの列はロープウェーほどではなく、たぶん10分か15分程度で入れたとは思う。
「まあ、さっき参拝したし、外から写真撮ればそれでいいか」と思ってしまったんだよね。
でも、実際に潮が満ちた状態の厳島神社を見ると、ゾクゾクしてくる感がある。外側から見てるだけだってそうなんだから、やっぱり社殿内部に再入場しておきたかった。
だから、私としてはまた次回の課題ができてしまったわけ。はるばる広島までいつか再び行かなければと思う。ちなみに、前回の12年前だかは潮が満ちた状態だったから、本当にゾクゾクして感動した。でも写真は1枚もないしね。
ということで、厳島神社は「早朝参拝」「満ち潮」の2つの条件をクリアできる時に参拝するのを強くお奨めしたいのである。
潮が満ちた状態での社殿全景。やっぱり良い。やっぱり厳島神社はこれだな、と思う。
満ち潮の時の海に浮いたように見える大鳥居。
この後、今伊勢神社や長浜神社といった厳島神社の摂末社に参拝し、13時半頃のフェリーで宮島口へ。そして、安芸国二宮である速谷神社に向かった。
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