だがその主張にF1を統括する組織の人間達には戦慄が走った。
彼らが必要だったのは不慮の事故、つまり何らかの故障が原因で発生したという答えだった。
レギュレーションが影響して事故が起きたということが一番あってはならないことだった。
殺意なき殺人・・・
この言葉が脳裏を過ぎっていたであろう。
もしそうなれば逮捕拘留者が何人出てくるかもわからない。
さらにF1の存続すら危ぶまれてしまう。
実際にそのようなことになれば損失も大きい。
その一方でチーム側はマシンのメカニカルトラブルということになるのだけは避けたかった。
あの時点では両者の思惑が一致していない時期だったのだろう。
だがチーム側のその主張は次第に影を潜めていく。