この旅の目的を果たすため、
辿り着いたこの駅。
後ろに座る学生の声
「北方、無人ばい。ここで飯食うべ。」

待合室でぽつんとひとり居た学生に
駅前で写真を撮ってもらう。
あぁ九州のひとも
はい、チーズ
なんだね。
北方の駅からはタクシーに乗るようにと
言われていたのに、
もちろん乗り場はないし、車の通りだってぽつぽつ。
待合室に張ってあった
タクシー会社に電話してみた。
名前も聞かれず
「はーい、今向いまーす。」
と明るい返事。
本当に来るのかって少し疑ってごめんなさい。
10分しないでやってきた温泉タクシーの運転手さんに
住所と名前を告げる。
うーん、その名前は何軒かあるからなぁと
うなりながらも、ものの5分で到着。
だんなさんの親戚のお家。
なんだか気が引き締まる。
主人のおじいさんの兄弟のいとこ?とその娘さんに
連れられて入る竹やぶ。
入り口にはお地蔵さまが
なんたいか、と木造の小さな小屋が
草の生えた辺りにたっていて、
でも不思議と不気味には感じなかった。
がたがたに並べられた石段を数分登っていくと、
斜面を削って平らにされた場所に出た。
いくつものお墓と一緒に
お地蔵さまが並ぶ。
ふと足を止めた親戚のおじいさまの前には
立派な墓石。
親戚のお墓参り、ってこんな気分なんだ。
会ったこともない人だけれどなんだか突然時間がゆっくり流れだしたような気がした。
慣れていないものだから
主人とふたりでたどたどしく
お墓のそうじをした。
私で喜んでくれているかしらって少し心配になった。
手を合わせて
お会いしたかったです。
って何度も心のなかで言ってみたけれど
答えは聞こえなかった。
わたくし、精進致します。
だから見守って下さいね。

この道をまた
ふたり手をつないで
同じ電車に乗って
参ります。
見知らぬ私たちを
優しくもてなしてくれた
新しい名字の親戚の方々。