関わった子供達が、夢に向かってそれぞれ歩き出す姿を見れる事が、すごく嬉しいです。

今日もその報告がありました。



かつて、定時制の募集停止が発表されました。

学校が苦手、教室が苦手、コミュニケーションが苦手な人達の義務教育後の受け皿が十日町市・津南町には当時、定時制しかありませんでした。

学校に行けなくても、教室に入れなくても、十五歳の三月には卒業証書が渡されます。

学校は勉強するだけの所では無いと思います。

同学年の生徒との運動会、修学旅行、授業、小競り合い、意見の相違。

高学年の生徒とも、別の関わりがあり、先生との関わりも又、別なものです。

そんな関わりを通して、人間性、社会性を身に付けていく。

嫌な事は、嫌な事と捉えて、好きな事もどっち付かずな事も、みんな自分との関係性から生じる事だと思います。

いろんな人と関わることにより、少しずつ積み重ねていくものだと思います。

どんな形でもいいから、少しずつ動いて欲しいです。

義務教育中、学校に行けなかった人に、義務教育が終わりました。

さあ、明日から、ひきこもりも終了です。

そんな訳には、いかないと思います。

十五歳、義務教育卒業は、皆さん一緒です。

おそらく、学校が苦手な人も、学校に行けない人も、このままで好いとは思っていない。

今の現状を、何とかしたい!!!

そう思う、

この時のエネルギーを、活用して、一歩踏み出す力にして欲しいです。

でも、受け入れてくれる場が無ければ、それも不可能です。

県が一度停止を発表した事を取り消すことは、ほぼ皆無と言われました。

でも、居場所が欲しかったです。

再出発を準備する場が、欲しかったです。

定時制には、社会の縮図があります。

四年間の期間は長いですが、わたしには必要な時間だと思います。

足踏みした分、時間をかけて自分を見つめて欲しいです。

「人生、無駄な事は無い」と、よく言われます。

その通りだと思います。

いろんな人に、いろんな所にお願いに行きました。

定時制存続の署名もお願いしました。

皆さんのおかげで、今の定時制があります。



小学校・中学校に行けなかった生徒達が、入学して日々変わります。

どうしてなのか、わたしには分かりませんが、変わるんです。

入学して、二か月の六月。

体操着を着て、グラウンドで運動会です。

「小学校から、学校に行ってないけど、いつか学校に行くだろうと思って、成長に合わせて体操着も、制服も買い替えたんだよ。今回も、体操着に手を通す事が無いかな?思ったけど、準備したんだよ。うちの子が、体操着を着てグランドを走っている!こんな姿何年振り。しかも、隣の人と話をしている」

生徒が体操着を着てグランドを走り回るのは、普通のことです。生徒同士で話をするのも当たり前のことです。

でも、その普通のことが、普通にできることが嬉しいのです。



「小学校・中学校の卒業アルバムは届いたけど、開く事なく片付けたよ。今回ののアルバムは、家族全員で思い出を語りながら見られるよ」と、卒業生保護者の声です。

入学式には、下を向いていた生徒達が、卒業式には堂々と胸を張って卒業していきました。



四月になり、それぞれが、それぞれの道に向かって、歩み始めました。

そのうちの一人が、親子で挨拶に来て下さいました。

子供さんの手作りクッキーを持って。


ココアクッキーとバタークッキー、各三個。

それぞれに、イラスト入りです。

女の子らしいラッピングしてあります。

わたしは、クッキーを受け取ったまま、何もしゃべれませんでした。

「ありがとう」言うのがやっとでした。