「こうしている時間が好き」byフラワーデザインf-conscious -168ページ目

タヌキ

去年の暮れ。

連日、大雪が降り続いた頃のこと・・・


ある夜、夫と車で家路に向かっていて
もう少しで到着・・・という時に、夫が「あれ・・?タヌキだ!」と言いました。

この町は立派な田舎ではあるけれど、タヌキが歩くような山の中とは違います。

そして私も田舎育ちではありますがお店が並ぶ町で育ったので

犬猫以外の4本足の動物は動物園でしか見た事がないのでした。


* * *


なんでこんな所にタヌキが??・・・と驚き

ぜひ一度近くで見てみたくて、車を止めてもらって降りました。

でも、そっと近寄ったのだけど、走っていくので追着きません。


どう呼んでいいかわからず

「おーい!」とか「ねぇねぇ」なんて呼んでみるけど

ほんの少し立ち止まりチラっと振り返るだけで

また どんどん真っ暗な雪道を進んでいきます。


それでダメ元で、北の国からの真似をして

「るーるるるる るーるるるる」と呼んでみたら

なんと振り返って立ち止まってこっちに少し寄ってきてくれました。

どうやらタヌキにも通じるみたい(笑)


そして近付いてきて初めてわかったのですが

可哀相に・・後足を片方失っている子でした。


『もう少し近寄ってきてくれないかなー』と・・思った その時、

車がそばを通った為に、ライトにビックリして逃げて行きました。


これ以上追うのも悪いと思い 近付くのをやめて去り行く後ろ姿を見ていたら、

タヌキの体は積もった雪の下にある溝に落っこちたようで、

すっぽりとハマって深く沈んでしまいました!


自力では這い上がりにくそうなので、夫が近付いて抱き上げようとしますが、

警戒してどうしようもない状態・・・。

何度か試みましたが警戒したままなので、

私達がその場を離れた方がいいのかも・・・と思い、救出を諦めて、

夫は駐車場へ・・私は家へと帰りました。


* * *


先に家に着いた私が、車を置きにいった夫を待ちながら

台所で片付けや食事の用事をしていると

窓の外から「キューキュー」と騒がしい鳴き声がします。


『あれ?・・いつもの野良猫にしては泣き声が違う?』と思ったのと

やけに窓のそばに居るのが気になって、窓を開けてみました。


すると、雪が降る中 二匹のタヌキが寄ってきて鳴いているのです。

足を見るとどちらも4本足が揃っているので

さっきの溝に落ちたタヌキとは別の子達だとわかりました。


『今日はいったいどうしちゃったわけ?

 こんな道路にまでタヌキが来るなんて・・・

 お腹が空いて町に下りてきたのかな?・・』と不思議に思いながら

「どうしたの?」なんて話しかけてみたら(答えられないだろうけど(・ー・;))

「キューキュー キューキュー」と私に向かって鳴いて

そして遠くへ走り去っていきました。


* * *


それからやっと夫が帰宅。

「やっぱり気になったからタヌキ見に行ってきたんだ。

 まだ溝にハマってたから救出してきたよ。」と。

「そうなんだ?それで遅かったんだー。

 そっかぁ、出れたのならよかったね(^-^)」と言いながら・・・


あ!!!もしや・・・


今さっき窓の下で鳴いていた2匹のタヌキは

溝にハマったタヌキの友達か家族で

「ありがとう」って言いに来たんじゃないのかなぁと!


夫に説明してそう言ったけれど

「えぇぇー? そ、そうかなー?」という反応・・・。


* * *


あれから一ヶ月以上が経ちます。

その後、どこにもタヌキを見かけた事がないし鳴き声も聞いた事がありません。

こんな事、確かめようもないけれど、

私はやっぱり、お礼を言いにきてくれたんじゃないかなぁ・・と思っています。

どうかあのタヌキ達が元気でいますように。。。