初めて過去性をしっかりと知ったのは、たぶん、小学生の時。
社会とか、歴史とかを学んでいる時にキーワードがやって来るんでしょうね、きっと。
それは、突然やって来ました。
礼宮様がご家庭を持って、秋篠宮様になられた頃。
それ以前に、私には「あきしの」って言葉が何処か耳とか心に残っていました。
それは、私の名前だったのです。
だから、秋篠宮と聞えて来た時に、それは私の名前だ!!!と認識ししました。
その時代では、私は孤児でした。
捨てられたのか、死別したのかは分かりません。
でも、ある身分の高い方にある時、拾われました。
名前を聞かれましたが、私には名前が無かったのか、名前を呼ぶ者も居なかったのか、とうの昔に自分の名前を忘れていました。
「秋篠」
と、その方は最初思いました。
でも、
「いや、ちょっと待て・・・」
秋の憂いは似合わないと言って、「明」の文字を頂きました。
そして、「明篠」の方がピッタリだとその方は笑いました。
でも、残念な事がありました。
明篠は、男児ではなかったのです。
それが、その方の誤算でした。
その方は、一人の様でした。
世継ぎも、奥方の影もありませんでした。
未だお若いのかもしれませんが、お一人でした。
明篠は、常々、
「男児だったら・・・」
と言われ、自分が男では無い事で自分を責めていました。
乗馬も、槍も弓も剣も、何でも男並みに出来るのに。
その後のその方と明篠の事は分かりません。
でも、私に中に、明篠の無念さがあったのでしょう。
私も、女である事の無力さを嘆く時期がありました。
きっと、彼女の無念だったのでしょうね。
その方に恩返しをしたかった彼女の無念さが伝わって心が痛みました。
でも、女にしか出来ない事もあるんだよって、彼女に伝えてあげたいです。
違う生き方もあるんだよって、違う恩返しもあるんだよって伝えてあげたかったです。
気付かせてあげたかったです。
曖昧ですが、これが初めて知った自分の過去性です。