被災した時、相方のお店のお客様を避難の手伝いをしていました。
携帯は繋がらない、誰もどうして良いのか分からずにそのままそこに立ちすくんでいました。
でも、その時常連のお客様が、
「私、家が心配なので帰ります」
と言って下さいました。
あの一言が無かったら誰ももしかしたらそのまま動けなかったかもしれません。
そして、
「これ、良かったら食べてね」
とチョコレートを下さってお帰りになりました。
あのチョコレート、とっても有難かったです。
その後もその方は何度も来て下さっています。
本当に有難い事です。
お客様がお帰りになって、スタッフも帰って、相方と娘と3人残りました。
そして次の日、近所のお爺ちゃんが心配してやって来て下さいました。
お婆ちゃんは風邪でダウンしているとの事でした。
でも、みんな無事で良かったと顔を見合わせてホッとしました。
相方は飲食店なので在庫で持っている食べ物と飲み物をお爺ちゃんに持って来る様にとお願いして来ました。
スタッフにも食べ物と飲み物を渡して、
「長期戦になるかもしれないから」
と相方は言いました。
みんなが居なくなってまた3人になった時に相方が私を見て笑いました。
「本当に君は欲が無いと言うか、考えが無いと言うか・・・。何でもかんでもあげちゃうんだから。自分達の食料の事も考えて人に配らないといけないよ」
・・・あればあっただけあげてしまうオバちゃん根性を相方は呆れて笑ったのです。
そう言えば、そんな事を考えもしませんでした。
よくオバちゃんの真似をして、
「いいからいいから持って行きな!」
ってスタッフの女の子に冗談交じりでやっていたけれど、実はそれが素の私だったりして・・・。
「そこが君の良いところでもあるんだろうけれど・・・」
と、フォローしながら苦笑していました。
でも、きっとお爺ちゃんだってスタッフのみんなだって独り占めしないでみんなに分けると思うんだけれどな。