たばこをやめてしばらくすると、たばこを吸っている夢をみることがあります。禁煙が続いているのに何故夢の中で吸ってしまったんだろう、と落ち込む人も結構いらっしゃいます。落ち込まなくても、実際のところ気分のいいものではなく、朝起きたらとっても後味が悪い。

で、たばこの夢を見ることを不安に思われる方もいらっしゃいますが、心配する必要はないと思っています。大昔、大学受験に失敗し浪人生活を送っているとき、不安に駆られ変な夢ばっかりみた時期があります。そのときに読んだフロイトの「夢判断」の記憶を紐解けば、たばこを吸う夢は以下のような説明ができそうです。

あまり見たくない夢ですが、禁煙がうまくいっている証拠です。
後味が悪いのがアレなんですが、落ち込むどころか胸を張って頂いていいと思います。

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夢は欲求充足だと言います。

理性をもった人間は、内部で沸き起こる欲求をコントロールします。結果として内部には実現されない欲求が蓄積します。欲求不満ですね。少しくらいだと蒸発してなくなるのでしょうが、いっぱい溜まると爆発してしまいます。ですから、欲求不満をうまく逃がす術が必要になります。それが夢なんだそうです。

禁煙を続けていると、吸いたい気持ちが残っている。けど、みなさんがうまくこなしているので、喫煙欲求は抑圧され、内部にたまる。かといって、欲求を満たすため本当にたばこを吸うわけにはいかない。

そこで抑圧された喫煙欲求を安全に解き放つ必要が生じ、夢の中でたばこを吸う。抑圧された喫煙欲求は夢の中で実現し、欲求不満はうまく解消される。さらには、覚醒したあと、「あぁ、夢でよかったと」禁煙を続ける意思を再確認し、理性も喜ぶ。(後味は悪いですが)

ですから禁断症状に打ち勝った結果、未練たらたらのニコチン大魔王が行き場を失う。でもかなりの強敵なので、そのまま抑圧し続けると爆発する危険もある。さりとて、本当に喫煙再開もできない。そのため安全な夢の世界に解き放ち「ニコチンよ、さらば!」としている、というところでしょうか。

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おまけ

たばこを吸う夢はみんな必ず見るものではないようです。が、本当なのかなぁと思います。うえに書いた理屈が正しければたばこを止めようとしている人は必ず見てもいいと思うのです。

そこで、またフロイトなんですが、欲求をそのまま夢に見せると危険すぎるので形を違えて夢に登場させるケースがあるということを書いていました。たとえば蛇は男性器とか
(フロイトにかかれば何でも男性器か女性器になったと思う)。荒唐無稽に思える夢、一つ一つが何かを表象し、満たされない欲求を充足させ、心の平穏をたもつ。すごい機能だと思います。

つまり、たばこを吸うという直接的な夢でなくてもたばこを吸うことを表象する夢を見ているのかもしれないと推測しております。具体的にどれがどうなんだ?という疑問がありますがまだ推測の域をでません。また直接的な夢と間接的な夢、どちらがどうなんだ、というのも良く分からないのですが、危険だから間接的という理屈でいけば、直接的なたばこを吸う夢というのは、その欲求の危険度が下がっているとも思えます。ある程度時間がたつと見るということを考えるに、最初はたばこを吸うことを表象した間接的な夢を見ている、そして禁煙がうまくいくにつれ、喫煙欲求も弱まり、直接的にたばこを吸う行為そのものの夢を見るということなのかなと思っています。
色々と問題のあるたばこなんですが、たばこ会社やたばこ産業を直接糾弾する以外にマーケットという観点から何かできないのかと考えてみたいと思います。

考えるきっかけとなっているのは、上記のようなたばこにまつわるもろもろの話しはもちろんのこと、アイオア大の大領領選挙先物取引が今回の米大統領選の結果をほぼ的中させたこと、それと、最近はやっているCSR Corprate Social Responsibility 企業社会責任と訳すのでしょうか、ようはそれです。

大統領選の結果も市場に取り込め、かつ結構いい結果を残す。企業行動もコンプライアンスに加えCSRのレベルに移行しかけており、CSR投資もパフォーマンスがいい。単純な市場崇拝者ではないつもりですが、市場というのもうまい仕掛けだと思うのです。たばこ並びにたばこ産業を追い込む、追い出すというより、市場からご退出頂く、そういう仕掛けが作れないか、そこのCSRという尺度を持ち込めばもう少し効率的にできないかということです。

<市場規模>

JTの業績は一体どうなんだというとこんな感じ。たばこ販売が92%とあるので、たばこ販売額は4,255,138百万円。4兆円以上あるんですねぇ。営業利益率が2004年3月期でざっくりと5%。まあまあでしょうか。(2004年3月期)


売上高 4,625,151百万円
営業利益 234,034百万円
経常利益 213,599百万円
当期利益 -7,602百万円

こまかく全部みてないのですが、全体像を粗く把握すると

四半期べーすの国内売上高 7,500億円(税込み)=> 年間約3兆円
国内販売シェアー 約75%
ですから、国内たばこ市場は4兆円と推定されます。

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<恩恵をこうむるひと>

この4兆円の恩恵をうけるのはこんな人たちでしょうか

国、地方自治体(税収)
たばこ葉生産者
日本たばこ産業並びに従業員
たばこ屋さん
スーパー、コンビに等の流通産業
たばこをはこぶ物流業
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<ソフトランディング>

喫煙者への社会保障費負担という問題があり、それ以上の医療費負担があり、ネットでは禁煙の方が儲かるという意見があります。禁煙による寿命の長期化による医療費負担増というのがどれだけ考慮されているのかなあ?と思いますが、一考に価します。

でも、国民経済的な観点からみると、4兆円規模の産業です。GDPはざっくりと500兆円ですから0.8%に相当します。から一気になくすと、4兆円のGDPが減る、さらには4兆円の消費がへることで最終的にはその何倍以上もの消費減へと波及する(逆の乗数効果)。景気の冷え込み、たばこ関連従事者の雇用不安など、ハードランディングは厳しいと思われます。そのためソフトランディングを考えないといけなくなります。

・・・・続く