世間はコミケで浮かれてますかね。クリスマスの二次会ですか?
で私は本を読んでいました。アスペルガー症候群関係の一般向けの学術書です。この本は実は高校生の時に買ったのですが、当時の自分には内容が難しすぎて読むことが出来ませんでした。
それを数年の時を経て、今回読み切ることができました
この本は約200頁で構成されていて、アスペルガー症候群とはどういうものか、から、学童期、思春期のアスペルガー、そして脳科学視点でのアスペルガーの考察、学校教育での配慮、などが書いてあります。
その中でも特に共感を得た内容や、興味を持った内容は紙にメモしながら読んでいました。
その中でも私が特に共感・興味をもった点を述べます。
まずは
「通常の子供は、聴覚を通じて言葉を獲得する」のに対し、「自閉症の子供は聴覚からは覚えにくく、視覚的な文字から言葉を獲得する」、「アスペルガーの子供は聴覚を通じての言語獲得は可能であると思われる」という点です。
のちにも出てくるのですが、私自身の感覚として、言葉の獲得は問題なく出来ていたはずです。ただ今感じると、物事に関しては「視覚的」な情報を得た方が圧倒的に覚えやすい。というのは感じました。聴覚的な情報獲得は確かに苦手なのかもしれません。私は、イラストを多用している本より、活字でびっしりなこういった学術書のような書籍の方がわかりやすいです。
そして2つ目。これはよくアスペルガーの子供の象徴のように言われますが、
「自分が関心を示した事物は速やかに知識を拡大していくことにより、小さい時から特定の事物に詳しい」です。 よくいう「こだわりが強い」というやつです。
これは私自身も非常に顕著に表れていました。私の場合、高速道路(ことIC名やIC番号、道路名)を覚えるのが凄く得意でした。また信号機にも興味があり、親の知らないことを話していることは多かったです。そもそも記憶自体も得意だったのは覚えています。漢字が好きで小学生の頃は漢字検定をよく受けていました。あと、色や数字、アルファベットへのこだわりも強かったです。昔小さい頃親に
親「好きな服買ってあげるよー(^^) なにがいい?」
私「うーん、じゃあ、緑色の服で大きな文字で[5]と[E]って描かれてる服が欲しい!」
といって親を困らせたことがありました(笑)
やはり、こだわりは強かったみたいです。
またときには「擬似的なごっこ遊びが大人になってからもこだわりとして続くこともあり、それは想像の世界の主要なテーマになることもあるようです。
しかし、これらの知識は「人との関わりから得たもの」ではなく、主要な情報源は「視覚的情報や事象」となっています。これは言い換えれば、「想像力の乏しさ」に対応するとも書いています。
「覚えるものは覚えるが、覚えてほしいものは覚えない」ということのようです。
3つ目ですが、この本で執拗にこだわる箇所があります。それは発達障害という言葉についてなのですが、「発達障害は正確には発達性障害である」と書かれていました。発達障害の「発達」の部分だけが独り歩きをしてしまい、「発達障害は発達していくと治る」という勘違いや、「発達そのものに障害がある(身体的成長含む)」という勘違いが生まれていると書かれていました。 発達障害は「先天性の脳障害である」ということを強く主張していました。
4つ目になります。これは中学生から今への私とよくあてはまるなぁと思いました。
「アスペルガー症候群の生徒は「言語も行動も活発」のため社会性があるようにみえるが、相手の立場や自分の言動に対する相手の受け止め方を考慮した上でのものではないため、社会的スキルがあるようにみえても、相手の気持ちや立場を考慮した社会的マナーが身についていない」
確かに相手に対して本来あるべき気遣いをしていたか、といわれると今考えると「?」が浮かぶ点があります。担任の先生に対する態度もそうでしたが、もし担任が私を受け入れてくれない人なら対立構図になっていた気がします。幸いにも私の担任は中学も高校もとても丁寧に接してくださる先生でした。
5つ目は実際に今現在も強く感じていることです。
「一般の子供は物事が1-10有るとして、全部は教えなくとも6くらいまで教えれば後は自分で考えて、推理して10に到達するが、アスペルガー症候群の子供は10までしっかりと教えてあげないと理解できない」
これは未だにしっかり感じています(笑) 単純作業でもやはり聞いてしまいます。ダンボールを折ってテープで両端を止めて袋を作る。これですら出来ません(つい最近の話です)。おそらく会社だったら「それくらい自分で考えろ!!」なんでしょうね、、。 ただ、一回教えてもらえれば後は普通に出来るのですが、、、。
6つ目は実行機能についてのことです。正直、僕が今1番悩んでいるところかもしれません。
まず、"実行機能"とはなにか、から簡単に書きます。
実行機能、横文字に直すと"Executive Function"となり「社長機能」という意味合いになります。
つまりは、社長機能の障害なのです。
、、会社の中でも社長は最も大きくものをみて「先を見据えて目に見えない自体を予測して行動すること」が必要だと思います。 、、、、アスペルガー症候群の人はこれが「うまく出来ない」のです。
もう少しわかりやすく書くと
「実行機能とは物事に対処する際に、思いついたことをすぐに行動に移す前にじっくり考えて、最も適切と判断した上で行動していく機能」ということがいえます。しかし、アスペルガー症候群の人は「一旦こうしよう!と思ってしまうと他の方向から考え直すことが非常に苦手」です。
私も考えた後はそのまますぐに行動として出ることが多いです。よくいえば直感的です。悪くいえば全く計画性のかけらもありません。昨日あげた自伝風の日記にもありましたが、そこに易衝動性や双極性症状が乗っかり大きな社会的、経済的損失を招きました。
これらから、アスペルガー症候群の本人にいきなり物事を任せるのはあまり適当ではないのかもしれません。はじめは親なりが判断をし、本人に実行をさせ、その結果を聞く。というのが良いのかもしれません。
また、「しっかりとしたブレーキを踏むための心の鍵を締めることなく、思いつくとその行動の良否を検討することなしに、どのような手段を使うかの検討に入ってしまう」というのもとても共感できました。私がいつも欲している歯止め(自分の思考にブレーキをかけてくれる人)とも通づるものがあるかもしれません。
とまあ、ざっくり書くとこのような点に特に共感・興味を感じました。自分のこれまでの経過と重ね合わせてみました。
やはりアスペルガー症候群なんだなぁ。と思うのと同時に、正直な話、僕は病名を知ったとき嬉しかったんですよ。あぁーだからこんなに苦しんでたんだ、、。って分かったので(^^)
アスペルガー症候群の特性を受け入れて、知って、その上で行動に活かせていければと思います。