Exotic Botanics official blog.

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Exotic Botanics

4-26-27, Jingumae, Shibuya-ku, Tokyo, 150-0001, Japan

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一度は行ってみたいと思っていたボルネオ島、キナバル山

 

自生地がどんな気候で、周りにはどんな植物を共存し、どんな土に根をはっているのか、

どんな明るさなのか。

 

そして実際にはどのように存在してるのか写真ではなく自分で確認したかった。

 

villosaとharryanaの違いを実際に見たかった。

 

わたしの死んだ叔父がはるか昔「林業局」に勤めていて

このボルネオ島の開拓に日本からの林業の技術指導者として数年この島に住んでいた。

この岩山の登山道の開発に携わった事もあったらしい。

子供の頃その当時の話を良く聞いた事を思い出す。

 

 

 

そして旅は始まる。

 

 

成田から直行便で約6時間、コタキナバル空港へと向かった。

 

目的地となるキナバル山はそこから車で約2時間半ほど。

 

現地のガイドが言うには本来は「アキナバル」と言うのだそう。

 

「アキ」は神

「ナバル」は岩山

つまり「アキナバル」は”岩山の神”と言う意味なんだそう。

現在は略されてキナバルと呼ばれるようになったと言っていた。

 

空港や街の地名の「コタキナバル」は岩山の街と言う意味らしい。

 

山を登り始め真っ先に感じたことは土が無い。

 

まさに岩山に生い茂ったコケがあるくらいで土が無いのだった。

 

ちなみに外国人で初めてこの山の山頂に行ったのが

植物学者のLowii氏

あのNepenthes lowiiの名前のもとになった人だそうだ。

 

 

黄色く見えるのは泥。

実際には真っ黒の「グラナイト」と言われる岩でこの山はほぼ出来ていると言っていた。

登山者が歩き泥がこすれてとれた部分は確かに黒い岩が見えていた。

 

 

途中この様に危険な登山道もある。道の手前の看板には「全速力で通過するべし」と記載があった。

この山は2015年に大きな地震がありかなり崩落したそう。

ふたつあった登山道のひとつは閉鎖になってしまい

rajahの自生地はもう見ることはできなくなってしまった。

地震の前に来たかったと心より思う。

 

今回のわたしの登山ガイドをしてくれた方。

「Nepenthes of Borneo」著者で有名なオーストラリアの植物学者Charles Clarkeが

キナバル山に登った際に彼をガイドをした方で

多数いるガイドの中でもボルネオ島中のウツボカズラの自生地や種そのものに

非常に詳しいNepenthes専門のガイド。

普段は農家をしているらしい。

 

 

Nepenthes villosa

標高約3000m付近

villosaと言われるエリア

まさにこのNepenthesの群生があるのだ。

この大きな岩山のごく限られた標高の限られたエリアに密集している。

※逆にvillosa以外のNepenthesも一切無い。

又、そこから少し登っても降りてもvillosaの影形も見当たらない。

本当にある決まった気候の場所に適したNepenthesなのだろう。

大きなもので3mは超える個体も多数あった。

周りの枯れた木々に大きな葉をうまく預けるように倒れないようにしている。

 

目をこらし入ることの出来ない登山道の奥にはvillosaのピッチャーが

夏祭りのお面売り場の様に数え切れいない程に存在する。

この光景を見れただけでここまで来て良かったと思う。

 

Nepenthes kinabaluensis

登山道に堂々とその姿を現した見事な黄色と赤のコントラストの個体。

ガイドが言うにはキナバル山でもうこの個体しかここ数年で確認されていないと言っていた。

 

そしてついに自生地のこれを見ることができた。

Nepenthes harryana

villosaとedwardsianaの自然交雑種

villosaの自生地からもう少し低いエリアにあった。

ピッチャーの中にカエル?の卵がある。

時を忘れ眺めていた。

ピッチャーの形状や葉の厚さ、色。自然界の芸術がそこにあった。

 

 

山頂が見える。

雲の上に行くと神様の気配を感じるのはわたしだけではないと思うんですよね。


現地を直に見てみた感想は。

来てよかったと。本当に来て良かった。