いつも一緒にいて
時々ケンカもしたりした
いつもだったら すぐに仲直りして元通り
……のはずなのに、今回は違う
理由はわからないし、これがケンカというのかさえもわからない
今もまだ
信じられはしないけれど
あの言葉が
心に刺さったままなんだ
この距離がすごくもどかしい
俺を見るたび不機嫌なお前に
なんて声をかければいいのか
なんてメールを送ればいいのか
わからなくて
気づけば１ヶ月が立っていた
いつもなら
朝登校したら
すぐに飛びついてきてくれるのに
扉付近で他の奴と話してて俺に気づかない
退屈な授業中
消しゴムやら手紙やら投げてくるのに
まっすぐ前を見てて俺を見てくれない
昼休み
俺の手を引いていつもの場所に連れてってくれるのに
他の女子に手を引かれて俺を呼んでくれない
一日中
お前が遠くてひとりぼっち
今日もひとりで屋上に行って
携帯とにらめっこ
会えなくて
気持ちはどこにあるんだろう
会いたくて
でも打つ文字が見つからない
この距離が
すぐに縮まればいいのに
不機嫌なボーイ
なんてお前に送ればいいのかわからない
ふと、廊下で話してる見慣れた姿が眼にはいる
さっきの女子にベタベタとさわられてる
最近やたらと近づくその子
___なんで、拒まないの？
モヤモヤして キモチワルイ
それなのに眼が放せなくてじっと見ていた
___イヤだ
___あの子にはわたしたくない
気づけばふたりのもとへと走っていた
腕を掴まれ驚くお前など気にせずに
「ちょっと、借りるね」
肩で息したまま女子にそう告げて腕を引っ張る
進行方向に向く前に見えたお前の顔
___どうして………
ぎゅっと下唇を噛んで
溢れ出そうな気持ちを堪えた
誰もいない空き教室で
ひさぶりに向き合った
「なに？」
お前は無表情のまま俺を見下ろす
やっと会えたのに
言いたいことも
聞きたいことも
いっぱいあるのに
言葉が出てこない
「用がないなら俺もう行くから」
いつもと違う冷めた声
いつもと違う刺さる言葉
部屋を出ようとするシャツの袖を掴んだ
「な、んで、、怒ってるんだよ………俺、なにかした？ルーハン」
俺、声震えて、涙声になってる
目頭はぶあっと熱くなって
重い沈黙に押し潰されそうになる
「ミンソガ、ほんとに気づかないの？」
さっきよりはやわらかな声
ルーハンを見ると
さっきちらりと見えたあの顔をしていた
どこか嬉しそうな表情
「気づくって何に？なんでお前は笑ってられるんだよ？俺は、、俺は、ずっと、ツラかったのに……ッ！」
そう言葉にしたら
ボロボロと涙が零れた
なんで
なんで、俺、こんなに泣いてんだろ？
「……そんなの俺もだし」
ふわりと暖かな体温に包まれる
「……ミンソガ」
今まで聞いてなかった
俺が聞きたかったルーハンの優しい声
ちゅっとおでこにやわらかな感触
「はやく気づいてよ」
「だからッ、何に？！」
「気づいたら、許してあげる」
にこにこ笑うルーハン
わけがわかんない
また、俺を置いて去ろうとするルーハンを引き留める
「……ヤダ」
また、あの女子のとこに行くの？
「行っちゃ、ヤダ……」
お願い、行かないで
「っ……ねぇ、ほんとに気づいてないの？」
「？」
「はぁ………生殺しがいちばんツラいんだけど」
「？？」
ぎゅうっと痛いくらいに抱きしめるルーハン
「ミンソガ以外のとこにはもう二度と行かないよ。俺がツラいから」
なんだかよくわかんないけど
もう二度と
あんな思いはしないで済むみたいだ
そうわかるとすごく安心して
ルーハンの胸に顔をぐりぐりと埋めて
離れないようにぎゅうっと抱きついた
「ッ、あぁ、もう、ミンソガのばか」
ルーハンそう呟くと更に強く俺を抱きしめて、首筋に顔を埋めてきた
機嫌、なおったかな
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うぉおおお！ルーハン氏に振り回される鈍感シウちゃんを書きたかったんたけど
結局振り回されるのはルーハン氏(笑)