[ I'm a sissy ] side L
翌日、練習中でも、タオに韓国語を教えてる間も、ミンソクのことばかり考えていた。
はやく会いたくて堪らなかったんだ。
「(るぅちゃんってばずーっとぼーっとしてるよ?どうしたのさ?)」
「 韓国語で言えない奴には教えてやらない。」
「(??何言ってるかわかんないよ!)」
「(なら、余計なことを喋らないで勉強してろ。)」
「(るぅちゃんの意地悪!)」
ふたりでにらめっこ状態で言い合い、時間は過ぎていった。
♪ー♪ー♪
机の上に置いてあった携帯が震えた。
確認すると、セフンからメールがきていた。
すぐさま鞄を持って立ち上がると、吃驚しているタオに呼び止められる。
「(るぅちゃん?!どうしたの?)」
「(悪いな、タオ。後は一人で頑張れ!)」
まだ何か言いたげなタオに背を向けて部屋を飛び出した。
階段を駆け降りてミンソクの居る練習室へと急いだ。
途中で何度も人にぶつかりそうになったけど、構わず走り続けた。
やっとたどり着いたときには、肩で大きく呼吸するくらい乱れていた。
ガラス越しで見えるミンソクの姿。
自然と顔が緩むのを我慢してドアノブに手を駆けた時だった。
ミンソクが俺の知らない男に抱きついてじゃれていた。
顔をしゃくしゃにして笑い合うふたり。
また、俺の勘違い?
だけど、心がざわつく。
あのときと違うのは、ミンソクから男に触れていること。
「あ、ルハニヒョン。」
後ろからセフンが来て呼ばれるけど、振り返ることができない。
だって、
「え、ヒョン?!」
今の俺は、
「ごめん、セフン。」
「え?ちょっ?!ヒョン!!」
声も掛けられない意気地無しな男。
また俺の勘違いかもしれないのに、
確認もできないまま、
その場に居たくなくて、逃げた。
ああ、俺ってほんと、、。