※一昨日、電話を下さいました方、並びにその劇団又は事務所の関係者の方へのお断り。以下の文章は、あくまでも、一昨日突然頂いた電話での『客演交渉』なるやり取りに対して、こちらがこちらの価値観や常識、考え方等で思い、感じた事をそのまま書かせて頂いたものです。何分そちら様の情報が皆無に等しいままでのやり取りで感じた事なので、私の勘繰り過ぎで大変失礼な誤解が生じてしまっているだけなのかもしれませんが、その点はご了承下さい。もしこれを読まれましたら憤慨なさる事が多々あるかもしれませんが、あくまでも、こちらはこう感じました、あのようなやり取りを見ず知らずの方からされた場合、この様な解釈をする人間もいます、という話ですので、もし以下の文章を読まれて、今回のご依頼について考え直す、という気になられましても、こちらはそれで構いません。

※普通に私のブログを読んで下さっている方へ。数々の疑問を自分の中だけに閉まっておけなくて書いてしまったブログなので、せっかく読んで下さっているのに、不快な気持ちにさせてしまいましたら、すみません。


おととい日曜の夜、21時位の事。非通知の電話に出てみたら、失礼ながら全く存じあげていない、劇団○○○の○○山さんというの方からのお電話で、
「今、『ちょっと』お電話、大丈夫ですか?」
と。で、先方の方がおっしゃるには、6年も前のうちの劇団の芝居(タイトルを言ってきた)を見て下さっていた、先方の劇団の△△△さんという女性(私はこの方も存じ上げません)からの推薦?で、その劇団さんがラジオでやる『ホームドラマ』に客演してみないか…というようなかんじのお電話で、それで、おそらくその団体の代表?の○○山さんなる方から、収録期間とギャラの話を説明され、こちらの経歴等をざっと聞かれた位の所で、こちらに参加の意思があるかどうかの確認も無いままに、いきなり、
「うちの△△△が出口さんの芝居を見ただけなので…、『ちょっと』今、簡単な台詞を言ってみて貰ってもいいですか?」
と言われ、『ちょっと』言う位ならまあいいか、と思い、
「いいですよ。」
とその台詞を言ったら。……驚く事に、そこから更にいくつもの台詞を様々な言い方で言うように要求され続け、その状態がなんと、全く終わる気配もないまま1時間以上も続いたので、流石に先方の意図が理解しがたく、
「この状況は、今、一体何をされているんでしょうか?」
とお伺いした所、
「声のお仕事をお願いするので、お互い対面してみてから『がっかり』するよりも、まずは幸い今、電話ですので、声の仕事がどの程度出来るかのスキルを確かめさせて貰っています。」
と。だったら、先に、その説明はすべきではないですか?と、まず疑問が。何の説明もなく、全く面識のない方からの非通知電話での、『ちょっと』いいですか?のひと言で、いきなり1時間以上もの電話でのオーディション(て事ですよね?)をこちらの意思とは関係なく勝手にされる事って、ギャラの派生する声のお仕事の世界では一般的にある事なんでしょうか?しかも、その理由が、わざわざ稽古場に足を運んで貰っておいてお断りするのは申し訳ないので、ではなくて、
「『お互いに』対面してから『がっかり』しない様に。」
って…。あの、決して偉そうな意味で言う訳ではなくて、普通の常識として、どんなに高いギャラを支払おうが、どんなに自分の劇団が実績があり有名だろうが、どんなに自分自身が偉かろうが(その辺の説明は一切して下さっていないので実際の所は解りませんが、とにかく)、あくまでもこちらから出演させてほしいと頼んだ訳ではない、依頼されている側の立場の私に、そちらの『がっかり』は関係があるのでしょうか?と、また疑問。しかも次第に、その見ず知らずの方が、なにやらだんだんエロい設定の台詞を要求してこられたので(これこれこういう設定で恥ずかしそうに、とか、もっとブレスを使って、とか云々。…キモ。)、
「失礼ですけど、いたずら電話とかではないですよね?」
と、さすがにそう聞いた所、
「ゆくゆくは村上龍さんの作品とかもやりたいので、そういうスキルも試させてもらいたいだけです。」
と。いやいや、2月の『ホームドラマ』の客演依頼をって、お話のみを最初なされましたよね?そのためだけの『電話オーディション?』をして頂いているのだと、こちらは途中からやっと把握したので、引き続き台詞を言わせて頂いていたのですけど…。そちらの今後の展望のためのオーディション?も、これまた説明も無いまま、いつの間にかなさっていた…、という事なのでしょうか?と、もう大疑問。で、きっとオーディションだからなのでしょうが、役者としての今までの経験等以外にも、収入源やら住まいがどの辺りかやら、一人暮らしなのか、やら、
「性格は?」
とかもお聞きになられ、
「短気です。」
と言ったら、
「短気な割には人間が出来てますね。」
との非常に有り難い御評価をおっしゃって頂いたりしたので、それに対しての、
「いや、芝居の世界は狭いので、万が一、そちらの価値観での解釈では無礼な事ととらえられる様な言動をしてしまい、それを小劇場界で言い触らされでもしたら、今後の私の活動に支障をきたすので、さっきからずっと、こちら側からしてみれば状況が把握出来ない理不尽で不毛なこの時間の消耗に、かなりの忍耐力を使って仕方なく堪えているだけなのですが?」
という本音は押さえ込み、代わりに、
「大変申し訳ないのですが、明日5時起きで早いので、後どれ位の時間で終わるのでしょうか?」
と問うならば、
「あと30分、24時半までには。」
とおっしゃったのにも関わらず、結局、深夜1時までの都合約4時間、最終的には何故か、一人二役で、いわゆる絡みの台詞までアドリブで何度も要求され…(ラジオドラマに一人二役って、そんなの必要なんですか???)、とにかく今までに経験した事が皆無な、大変有り難いこちらにとっては謎だらけの電話オーディション?をして頂きまして(先方様が電話を切って下さる気配がどうにもなかったので、とにかく早く終わらせたくて、ヤケで台詞を言ってしまった。)、
「まるでラジオドラマを聞いているみたいでした。思っていたよりスキルが高いですね。」
と技術の無い人間を捕まえて、真意のまるで解らない、御感想なのか御評価なのか何だかをおっしゃられ、最後は、
「色々聞かせてもらって疲れたので(ここで噛み殺さずにハッキリ欠伸)、すみません、今日はこれで失礼します。明日、スタッフ達と相談の上、対面する日時等をご連絡します。」
との事で、
何しろ4時間だったので、はしょったやり取りもだいぶありますが、とにかくやっっっと深夜1時(有り得ない)に解放され……。

つまり、いきなりの『ちょっと』いいですか?から始まり、詳しい事も知らされないままナゾの電話オーディション(エロい台詞大量に込み)を一方的に、見ず知らずなのにも関わらず、午前1時まで4時間も開催して頂いてしまったという…、これって一体なんなんすか?と、正直、怒りと疑問の嵐。
通常、このような形での出演交渉のやり方というのは、当たり前の事なんですかね?単に私がこのような経験を過去にした事が皆無なので狐につままれたような状態(これってこういう時に使う言葉なんですね)になってしまっただけなんですかね?

…でも、仮にもし、私が先方の立場だったら、自己紹介と客演依頼をしたい旨、収録期間とギャラの話の他に、
・自分の劇団及び自分の活動内容の具体的な説明
・今回の『ホームドラマ』の具体的なストーリー又はテーマの説明
・今回の依頼に興味があるか、参加の意思があるかないかの確認
・直接対面する前に、今の電話で、こういう内容で、このくらいの時間を要するオーディションをさせて貰いたいのだが可能か?の確認
・今が無理なら、いつなら電話でのオーディションが可能かの日時確認
最低でも上記の事柄は話し、相手に現状を理解してもらい、納得してもらった上で、
「では、台詞を言ってみて頂いてよろしいですか?」
と、そういう手順をふむなと。まあそもそも、こんな(私の中では)非常識な、見ず知らずの相手に対して、いきなり電話で値踏みをする、なんて交渉手段は、絶対にとったりしないから、根本の時点でもう理解不能なのだけど。

と、
これだけ長々と、一昨日のやり取りを文章にして整理し、考えてみた結果、やっぱりどうしても先方のやり方は失礼だと思うし、そして、7日間毎日昼4時間の拘束で最低9万のギャラというのも高すぎる気がするし、とにかく考えても考えても、やっぱり何かがおかしい気がして、更に失礼ながら、いくらギャラが出ようがこれ以上係わり合いになりたくない嫌だ、という感情がわき、電話で消耗した時間を損してでも、この依頼は拒否するべきでは?という勘が働き。明らかに自分の感情と勘が危険信号を出していて。だけれど自分は、事務所関係や声のお仕事には疎いので、完全に判断はしかねる、と。
なので、
昨日たまたま、お世話になっている劇団さんの稽古日だったので、そこの元締めと殺陣の先生に、この電話での一件を説明し、どう思いますか?と相談させてもらったら、

もし先方の言っている収録が本当にあるならば、そのギャラの高さからいって『エロい系』のものなんじゃないか(実際、エロゲの声のギャラってそれくらい貰えるそう)、
逆に、もしドラマ収録というのが全くの嘘な場合は、電話口で私の言った台詞を録音し、それを個人の作品に使ったり、ネットに流出したり…、という様な悪用をするために、出演交渉を装った電話をかけられてしまった可能性もあるかも、
と。
どっちにしろ、とにかく『変』だから、もしまた電話がきたとしても断ったほうがいいよ、と。

で結局、昨日、先方からの電話連絡はこなかったので、やはり一昨日の一連のやり取りは嘘だったと思って、ほぼ間違いないなと思っている次第。確かに思い返せば、あの手この手で専門用語や難しい単語を駆使して、とにかく何とかしてエロい台詞を言わせよう、というかんじが多々あったように思うし、途中でファックスがきたとかなんとか言って1分程待たされたりしたのも、録音の準備をしていたのかも、と思えるし(怖い、キモすぎる)。
一応、先方の劇団名と苗字と事務所の固定電話の番号なるものは聞き出しているので、かなり気持ち悪いけど、今日にでも公衆電話から電話してみて、番号が嘘なのかどうかを確認してみるつもり。このまま放置しておくのも、それはそれで気持ち悪いので、騙された事をハッキリ自覚したほうが(もう完全に私の中では騙された事になってます)、まだマシかなと…。

にしても、
自分の情報が思わぬ所から漏れていて、それを利用して悪質な電話をかけられたのであろうにもかかわらず、劇団名やらを出された位で簡単に芝居関係者からの出演交渉だと思い込み、徐々に疑問を持ちながらも結局対応し続けてしまった結果、
最悪の場合、自分の声が、名前や顔写真(確実にネットで拾える)と共に流出してしまうかもしれないのかと思うと…。そしてもし、そのせいで更に別の人間に何か悪事を働かれてしまう可能性もあるかもしれないとかも考えてしまうと、もう本当に気持ち悪いし、本当に怖い。
劇団関係者を偽った人間だったのか、劇団関係者が嘘をついて悪事を働いたのか…。
とにかく、今しばらくは、本気で気持ち悪くて怖い。

でも、
きのう、元締めと先生のふたりに相談させてもらえたお陰で、一人で考えていた時より、はるかに冷静になれて、今後はこんなのに引っ掛からないように気をつけよう、って、前向きな気持ちに切り替えられたし、やっぱりまだ怖いけど、とりあえず怒りは収まったし、
人に聞いてもらって、何かを言ってもらう事って大事なんだな、話せる、聞いてもらえる人がいて本当によかったなと思った。
何かあったら言っていい、って言ってくれてる人は一応ひとりいるけど、今は連絡を取れない状態だっただけに(まあ元々、そんなに気軽に何でも相談出来る相手じゃないんだけど)、とにかく昨日は、元締めと先生に本当に感謝。
支払った代償は大きかったけど、人との繋がりの有り難さを実感できたのはよかった。

けど同時に、やたらと他人の話は鵜呑みにしてはいけない、疑ってかからなければいけない悪い人間もやっぱりいる、っていう、ちょっと淋しい事も学んだなと。

まあでも、終わった事は終わった事として、不必要な感情(キモかった、怖い、不快、とか)は、なるべく早く切り捨てて、とにかく全てを前向きに!!

…終