接ぎ木の件と断琴丸の花 | 岩石翁の多肉ブログⅡ

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メセン栽培を主軸として、多肉植物の「岩石栽培」という新手法を実験中。その記録です。

 目下の悩みの種である緋牡丹錦の接ぎ木の件だが、やはり手持ちの貧弱袖ケ浦(苦笑)では、まだ小さくて台木として使うには無理があるという結論に至った。部分的に重なればいいとはいえ維管束の重ね合わせに無理があるし、活着に成功したところでかなりバランスが悪くなってしまう。なので、袖ケ浦でも竜神木でも何でもいいからとネット通販で調べてみたのだが、やはりというかなんというか、これが見事に少ない(苦笑)。以前にも書いたが、柱サボテンは通販業者の主力商品ではないので、ほとんど扱っていないのだ。そのため、たとえあっても台木としてちょうどいいサイズは売り切れ状態で、あとは、うちの袖ケ浦と同程度の小さすぎるものか、逆にインテリア風の大きすぎて高額すぎるものしか見当たらない始末である。本当に困った。釣り合うサイズの台木がないのでは接ぎ木ができない。

 と、思い悩んでいたところ、ハタと思い出した。そういえば、短毛丸という球形サボテンも台木に使われるとサボテン本に書いてあったよな、と。うちに短毛丸はないのだが、球形サボテンとしては、増えすぎて困りつつある(苦笑)エルサムがあるではないか。これに接いでみたらどうか。だがしかし、それで大丈夫なものか…。そこで一応調べてみたところ、驚愕の最新事情が次々に判明した。まず第一に、マミラリアの希望丸を台木に使って成功している先人がおられる。ならばエルサムでも大丈夫かもしれない。いやいや、それどころではなかった。なんと、他の先人によれば、あの金鯱(※もちろん幼苗だが)も台木として使えるというではないか!(驚) 接ぎ木に熱心でなかった私は今まで知らずにいたが、要するに、ある程度丈夫な種類であれば、おそらくほとんど何でもアリの状態なのだ。

 しかし、である。接ぎ木の場合は、往々にして合着に失敗してしまう場合がある。これは様々な要因が絡む問題であって一概には言えないのだが、その一つには、台木の種類による成功率の違いがある。いくらエルサムが余っていてマミラリア台木の成功例があるからといって、今回ばかりは失敗のリスクを最小限にしなければならないのだ。そもそも衰弱死寸前の緋牡丹錦を助けるという重大な局面なのであり、カキ仔の繁殖などといった、のどかな状況ではないのである。

 なので、近隣のホームセンターを片っ端から回って柱サボテンを探しまくった。そしてようやく、ラッキーなことにサイズ的にも種類的にも(←武倫柱みたいな種類は台木にしたくないし(笑))手頃なものが一鉢だけあるのを発見したという次第である。写真は撮り忘れたが、おそらく品種は鬼面角と思われる。一説によると鬼面角は袖ケ浦よりも接ぎ木成功の確率が高いと言われており、そういう意味でも(穂木がかなり衰弱しているという不安要素はあるが)まずまずの安全パイかなといった感じである。また、三角柱や竜神木は耐寒性に難があるというが、うちの場合は地植えの鬼面角がすくすく育っているくらいだから、そっちの心配もないだろう。あと、これは縁起でもない話になるが、万が一今回の接ぎ木に失敗した場合でも、これがあれば二種類目の台木の供給源となる(←とにかく、サボテン流通の死角に入ってしまっている柱サボテン類は、入手しにくい存在になってしまっているのだ)。とりあえず週間天気予報は大丈夫そうなので、明日、死にそうな緋牡丹錦と鬼面角の接ぎ木をやってみることにする。

 話は変わるが、もう既に開花は終わってしまっているのだが、ようやく断琴丸のマトモな開花写真が撮れた。というか、撮れていたのをすっかり忘れていた。(^^ゞせっかくなので載せておく。↓

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