夫を家計管理に巻き込むことに成功した意外な方法[1]の続きです。
道が開けるきっかけは、ほんの小さなことでした。でも私にとって、それに気づくためには大きなきっかけが必要でした。
その大きなきっかけにつながる出来事が、大きな手術を3回経験したことです。1回目の入院で最初の手術を、2回目の入院で再手術を2回受けました。
1回目の退院後はほぼ元通りの生活をすることができましたが、2回目の退院後はなかなかそうはいきませんでした。
手術の後に残ってしまった「複視」という目の症状が、1回目の退院後は車が運転できるまでに回復しましたが、2回目の退院後はそこまでの回復がなかったからです。
「複視」というのは、片方の目で見た時にはひとつに見えるのに、両目で見た時には物が二重に見える症状です。
物が二重に見えるだけでなく、段差が認識できなかったり、バランスを崩しやすかったりするので、日常生活のちょっとしたことにも、今までより注意が必要になりました。
ここで初めて私は、今まで自分でやっていた日常の家事を、ひとつ手放しました。それは、お風呂掃除です。
私は家事全般が嫌いです。だからお風呂掃除も実はしたくありません。でも,嫌いだからこそ自分でやっていました。なぜなら、やりたくないからしないというのは、ただ怠けたいだけだと思っていたから。
でも、無理してお風呂掃除をしたら命の危険があるかもしれないという状態になって初めて、「やめる」という選択をすることができたんです。これが、大きなきっかけとなりました。
それまでにも、お風呂掃除を家族に頼んだことはありましたが、それはあくまでも一時的なことで、自分が担当を抜ける、という形でお願いするのは初めて。
すでに子どもたちは独立し、夫婦二人暮らしでしたから、後任は夫しかありません。頼まれた夫は、もちろん最初は激しく抵抗しましたよ。でも、こっちも必死です。命を懸けてまで、お風呂掃除なんかしたくありませんから
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