たとえば、ガリアーノをジバンシィに抜擢したとき、そのニュースは世界中のフアッション誌の一面を飾り、新聞、テレビ等の報道掲載量は、広告換算額で一○億円単位になったという。もちろん、これはいつも奇抜な格好をしているガリアーノの話題性と実力があってこそだろう。
九六年には、ディオールにガリアーノ、ジバンシィにアレキサンダー?マックイーンという二人のイギリス人デザイナーを就任させ、わざわざ「今、才能があるデザイナーは英国人であ引」とLVMH汗がコメントして話題になったりしている。
もちろん、話題作りのためだけでイギリス人のデザイナーを起用することはないだろう。偶然、イギリス人が揃ったので、必然性があるようにアピールしていると思われる。これもまた、十分な宣伝効果が得られた。
ブランドがグローバル化し、ますます情報化されると、デザイナーそのものを前面に出してPRしないと生き残れないのは構造的な現象といえる。