CT検査　依頼理由

【臨床診断】胃癌の術後

【検査目的】術後4年のscreening,依頼コメント(定型):造影胸腹部meta

検査所見

所見:

前回造影CT(2014.06.25)と比較しました。

胃癌に対し幽門側胃切除術後です。

吻合部の下方に軟部組織が目立ちます(図1)。

肝脾周囲、両側傍結腸溝、骨盤内など、中等量の腹水が出現しています。

大網に脂肪濃度混濁・結節・腫瘤形成などが出現、傍結腸溝や骨盤内など軽度の腹膜肥厚も出現(図2-4)。上行結腸～横行結腸やS状結腸壁にも肥厚が疑われます。腹膜播種が示唆されます。

右水腎症が出現、下部尿管に壁肥厚があり、同部での通過障害と思われます。

一連の播種による変化を疑います(図5,6)。

肝に複数の嚢胞がありますが、肝転移を示唆するsolid massは指摘できません。

右骨嚢胞あり。

胆、膵、左腎、両副腎、脾に異常を認めません。

子宮筋腫あり。

腹部に有意なリンパ節腫大は指摘できません。

右肺上葉S2胸膜下の結節は前回と著変ありません。

右肺中葉や下葉に気管支の壁肥厚や粒状影が見られ、前回よりやや増悪しています(図7,8)。その他は、前回同様です。

縦隔、肺門、鎖骨上窩に有意なリンパ節腫大を指摘できません。

甲状腺右葉に低吸収結節がみられます。'

胸水、腹水は認めません。

診断名:

胃癌術後

腹膜播種が出現

右水腎症

2016年6月29日 CT検査報告書