この間の朝のゴミ捨てから、猫の事はいいが、女房に話しを聞くと、カラスのほうが厄介との事だった。
なぜかと聞くと、カラスに背中を突かれた事が有るらしい。
当然俺は、戦闘体制に入った。
大事な女房の背中を突いたカラスに仕返しをするためだ!
準備を始め、まずは木刀、それと前の日に食べたケンタッキーフライドチキンの残骸。
腰のベルトにサミット袋を装着。
その中にフライドチキンの残骸。
準備は整った。
ゴミステーションの横に残骸を一つ置いた。
少し離してもう一個。
とりあえず隠れた。
カラスが辺りの様子をうかがいながら降りてきた。
まずは、ゆっくり食事をさせた。
満足して近くのアパートの屋根に飛んで行った。
作戦決行。
自宅の物置の上に脚立で上がり、上から物置の近くにフライドチキンの残骸を投げた。
最初の2回は、ゆっくり食事させた。
その様子を、隣のおじさんが静かに見ていた。
俺と目があって静かな声で「何してる?」俺がカラスを指さして「退治してる」と、静かな声で返すと「体調は大丈夫か?」と、心配していたので「グッジョブ」と、親指を立てた。
3回目の撒き餌をした。
警戒心が和らいだのか、カラスが静かに余裕で降りてきた。
ゆっくりと食事を始めた。
俺は、物置の上から木刀をしっかりと握りしめ、るろうに剣心の緋村剣心の様に、ここぞ!とばかり飛んだ!
そう、気分は龍垂閃だった。
カラスが振り返った!
ほぼ同時だったが、わずかに交わされた。
と、思ったら、カラスがバランスを崩し、もたもたしてるところに、佐々木小次郎の燕返しともとれる二連撃目が、カラスの羽をかすめた。
少し手応えがあったので、カラスを見ると、やはり飛ばずに走って逃げた。
俺も走って追いかけたが、カラスが何度も転びそうになってるのを見て、追うのをやめた。
やはり仏心がでた。
隣のおじさんも「あれだけやられたら来ないだろ」俺も「そうだね、女房の背中突いたカラスだけど、いざ仕返しと思ったらあれ以上出来ないね」
俺の話しを聞いて、おじさんも納得していた。
自宅に戻り、女房に話すと「じゃあ少し安心出来るかな?」俺も自信をもって「おう、大丈夫だよ!」
次の朝。
ゴミを持ってステーションに向かった。
えっ!
昨日のカラスが居た!
俺の顔を見るなり「カア~」
俺も負けずに「カア~」
隣のおじさんが笑ってた。