アクアリウムにとってpHというのは非常に重要ですね.
ここでは僕の理解の範疇でできる限り分かり易く説明したいと思います.
と~っても長い話になってしまいましたのでおつきあい頂ける方のみ
お進みください.
pH・・・これは正しい読みかたはピー・エイチです.
ペーハーとはドイツ読みでもともとの由来がドイツであるため
昔はこう呼ばれていました.
化学の先生でも年配の先生は
ペーハーと言う方がおおいのではないでしょうか?
pHは0~14の範囲で表します.
0に近い方が酸性,14に近い方がアルカリ性,7が中性です.
さてpHっていうのは簡単に言えば水素イオン濃度のことです.
水溶液中にどれだけの水素イオンが溶けているかを表した値です.
理系の人ならばlogを使って計算したこともあるでしょう.
さて測定方法ですが
熱帯魚飼育で使われるのは主に
①pH試験紙
②pH指示薬
③pHメーター
であると思われます.
②のpH指示薬は①のpH試験紙に染みこませてあるため
今回はpH試験紙の方に含めて考えたいと思います.
つい最近,とある掲示板で次のような記事を見かけました.
「pHメーターを購入して計測したらpH試験紙とは全く異なった
数値が出ていました.安かろう悪かろうですか?」云々.
このpHメーターは中国からの輸入品で
最近よくpHメーターの廉価版として安く売られています.
今まで一番安かったマーフィードのpHメーターより安く購入できます.
さて本題.僕はその記事を見てはぁ?と思いました.
他のpHメーターと比較して精度が悪いならばpHメーターの問題です.
ところがpHメーターとpH試験紙で比較しようとしたところに
そもそもの間違いがあるのです.
ここで一つ実験してみました.
①蛇口から出した水(井戸水)
②ゼオライト入りのペットボトルに入れた①の水
③アピストの飼育水
①~③をpH試験紙(ADVANTECのBTB試験紙&MR試験紙,他)と
HORIBA製の卓上pHメーターではかり比べてみました.
いずれも研究室などで使われるため精度はいいです.
【pH試験紙】
①pH7.2
②pH7.2
③pH4.9~5.2(試験紙によって多少の差がありました)
【pHメーター】
①pH7.58~7.85
②pH7.78~7.88
③pH6.05~6.58
(いずれも反復をとったため数値が1つではありません)
どうですか?注目すべきは③飼育水の値です.
なんとpH1以上も異なっていました.
①②は予想の範囲?
そして測定していて思ったことは値が変動し続けることです.
オートホールド機能といって自動的に数値を固定してくれる機能が
あるのですが,それをはずすと常に変動していきます.
ですので①②はもっと高く,③はもっと低くなった可能性があります.
さてさて今回は一般的なハンディタイプのpHメーターではなく
1台云十万円する機械を使うという反則技に出ました.
確かに安価なハンディタイプは精度に疑問が残ります.
くどいようですがpH試験紙とpHメーターではそもそも仕組みが違うのです.
それではその説明.
pH試験紙は指示薬と呼ばれる溶液が染みこませてあるため
その液の色の微妙な変化で比色表と比べてpHを特定します.
今回使ったBTBやMRがそうです.
BTBなどは中学の理科の時間でも実験した方が多いでしょう.
青や緑に変わるのがそうです.
リトマス試験紙は酸性かアルカリ性かを調べるだけの試験紙です.
さらに細かいpHの値によって変色する溶液が使われます.
種類はとても多く,pHの0~14までのどの範囲かもそれぞれです.
pHメーターというのは測定する機械の先にガラス電極が備わっています.
(ガラス以外もありますが一般的なガラスで説明)
この電極の中にはKCl溶液が入っていてこの内部溶液と
測定する溶液の濃度差を電圧として測り取りpHに換算します.
難しいかもしれませんが仕組みが全く異なることを理解して頂ければ・・・
今回の実験からとくに水のpHほど安定しないものはありません.
さらには緩衝液というものが存在し,
pH変動が起きにくい溶液もあります.
水素イオンは水中のさまざまなイオンの影響を受けますので
必ずしも正確な値がはかれない場合があります.
また伝導率のきわめて低い水ではpHの測定は難しいです.
今回はここまで.
何だか尻すぼみ??
疲れました~読んで頂けた方も?
もう少し勉強してパート2やります!!
なのでつづく!!