エロモナスやカラムナリス感染症の場合は
薬に頼っていますが,使い方を間違えると危険です.
僕はエロモナスやカラムナリス感染症の場合は
グリーンFゴールドやグリーンFゴールドリキッドを
使用しています.
グリーンFゴールドは顆粒で主成分がニトロフラゾンと
スルファメラジンナトリウムです.
ニトロフラゾン(nitrofurazone)はフラン系合成抗菌剤で
変異原性つまり細胞に変異を起こす可能性があり
発ガン性が指摘されており食品類には含有が認められていません.
水草にも害があります.
スルファメラジンナトリウムはサルファ剤であり
ペニシリンよりも古くから使われている薬です.
耐性菌が多いと言われています.グラム陽性菌に効果あり.
グリーンFゴールドリキッドは
オキソリン酸(OXA)」Oxolinic Acidが主成分です.
パラザンDもこれが主成分です.
水産系に広く利用され養殖魚(鮎の冷水病など)にも
使用されています.
グラム陰性菌に効果があり,水草にも害が少ないと
言われています.合成抗菌剤(キノロン系)で
細菌がもっているDNA複製に関与する酵素(DNAジャイレース)の
活性を阻害して,細菌のDNA複製(増殖)を阻止します.
耐性菌は出来にくいですがそれでも出来ます.
一貫して言えることは安易に使用してはいけないと言うことです.
人間の病気でも抗生物質が作られるたびに
耐性菌(抗生物質に負けない個体群)が生まれ
イタチごっこでさらに強い抗生物質を作っても
また耐性菌が出来てしまいます.
結核菌やブドウ球菌などが良い例で
耐性菌が続々出来ています.
これは薬の正しい使い方を徹底してこなかった
ツケであり,同じことが魚病薬にも言えます.
どうか,適量を守って単一の薬を使い続けないでください.
弱っている魚を濃い薬液で泳がせるのは死期を早めるだけです.
また,本当に薬を使わなければいけないのか
使う前に考えてください.