バイトから帰ると、

玄関から、嫌な匂いがしてきた。

雰囲気も澱んでいて、

不穏な空気を発していた。

リビングに入ると、

父親が真っ先にそのワードを言った。

ぽんが、なくなったと。

一瞬何が起きたのかわからなかったので、

放心してしまった。

ポンのいる部屋にいくと、

大きなダンボールに入ったポンの姿があった。

姉が、愛おしそうに、泣きながらなでていた。

母親もとても、悲しそうな目でパソコンをいじり、火葬方法を探していた。

身体はまだぬるくて、目をあけていた。

まるで、まだ生きてるみたいに。

兄弟の隙間から、息をしていない愛犬の姿が見えた。

17:55分に、突然、吐きそうにしてると思って見てたら、

息をしていないことに気づいたらしい。

とりあえず、身体が痛まないように、

保冷材で周りを固めて、

冷房をガンガンにして、眠気で意識が飛んだ。

気が付くと、

1時間寝てしまったらしい。

火葬車が来るのは、四時半だったので、

二度寝しようとしたが、

ポンとの思い出が、目に浮かんだ。

餌入れを持ってくるぽん。

川を泳ぐぽん。

リードを引っ張るぽん。 ...

思い出して、全く寝れずに、

火葬車が来た。

見送り、

これで、ポンを見られることを

一生できないと思うと、とても、寂しくなった。

火葬して、骨になって小さくなったポンが

火葬車から出てきた。

骨を丁寧に家族で骨壷にいれた。

それでも、まだ、実感わかなかった。

すこし、わき始めたのは、骨壷に飾ってあった、

ぽんと目が合った時だった。

小さい頃から、いままで、ずーっと、一緒だった、

色んな思い出が一気に頭にかけ巡った時だった。

骨壷には、線香がなかったので、

買いに行くことにした、

いつもと変わらぬ街。

誰が死のうと、社会は何も変わらない。

僕が死んだってそうだ。

それでも、わたし達には、悲しんでくれる人がいる。

家族、友達、色々な人が悲しんでくれる。

社会は変わらなくても、それだけで嬉しいことではないかな。