ドルアーガの塔【影の国】第5話分析 | 遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」

ドルアーガの塔【影の国】第5話分析

 幻の塔とは一体どんなところなのか?最初のエリアとなる荒野が今回の舞台。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-どるあぁ~~がっ
 螺旋階段を歩いていると、風に吹き上げられて飛ばされる。落ちているのかも知れないけど、リージョンの繋がりは上下関係や連続性がなさそうなのでどちらでもいい。これが原作ゲーム4部作の1つ「the Return of ISHTAR」のシステムと同じだ。
 で、突っ込みどころは飛んで行くウトゥのアドリブ。アドリブって、何言っていいんだか思いつかなくなることがあるんだけど、そんな時は身近な適当な言葉を崩して言ったりするもの。絶対「ドルアーガ」って言ってるよね(笑)
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-おはようございます、ウトゥさん
 ジルたちが落されたすぐそばにヘナロが放置されている。ウトゥに起こされたヘナロの「おはようございます」がえらく可愛いのだが、絶対頭打ってるな。
 なぜヘナロがここに居るのか?理由はいくつか考えられる。
・グレミカに捨てられた
 ヘナロを同行させるコストは切り捨てたいから
・グレミカと別行動を取った
 グレミカ側に寝返り、監視役となったから
・グレミカから逃げた
 このリージョンに来てから逃げたのなら気絶しているのはおかしいので、グレミカもジルたちと同じように飛ばされたのなら、しばらく耐えて別の場所に飛ばされたのか
・塔のシステムによる
 リージョンを移動するときに、ランダムに行き先が決まる。丁度1期の9話みたいな感じ
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-片羽が登場したが・・・
 片羽のドラゴンが現れる。「片羽」はそういう種類がいるわけではなく、ある個体の特徴なので、これは1期の7話に登場したものと同じもの。ガーディアンが倒された時に、一緒に消えずに幻の塔へ来たと言うのには無理がある。ならばガーディアンと同じく、何らかのコピーと考えるべき。
 では黒ギルの意思なのか?もしそうならカゲの餌になる必要はない。ということは、何かが現れるはず、というジルの警戒心に幻の塔が反応して、ドルアーガではない強敵である片羽を出現させたと結論される。そんな俗人のイメージを食いつくす存在として、カゲが「生まれた」のではないだろうか。「カゲ」は今回大量に出ている黒いモンスターのこと、台本では「カゲ」という名前になっているので。
 この時のカゲは、まだ赤い目もなければ、はっきりした個体感がない。ガヤを担当しているのも女性陣だけで、子供であることを示しているのだろう。ニーバとカーヤに逃げられたので、一旦「卵」状態に戻り、また新たな餌ができたので成長したように遠藤には見える。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ローパーみたいなカゲ
 ドラゴンを喰らい尽くした幼体が、ドラゴンの栄養で成体に成長する過程が、この「ローパー?」なのではなかろうか?第1話でカイが見せたイメージでも、鳥人みたいな姿ではなく、これだったのは、ニーバとカーヤの通過の時に前世代が成長したことの証しだと思う。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-影を避けて追いかける
 カゲがジルたちを追っている姿。視聴者としては「後ろ見ろ!やつら影をよけてるゾ!」と教えたいくらい不自然。カゲたちが影を避ける理由だが、陰に入って消える時、ファティナに撃たれて消える時、台本には「ススになる」と書いてある。ススは炭素なので、分解されて固形物が炭素だけとすると、やつらは炭素を主体とした有機化合物で構成されているのか。炭素以外は、窒素や酸素、水素など、ガスになってしまうからススが煙のようになる。
 太陽の光に含まれる紫外線は、化合物を分解させるエネルギーを持っている。光が当たると分解するというのなら、遠藤の狭い常識でも納得できるんだけど、光がなくて分解となると、逆に光のエネルギーが結合に関与していることになる。どうひねくって論理的な説明ができないので、ギルが中学2年生だったというオチで。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-グレミカの一撃
 グレミカ配下はカゲにやられたりしているのだが、本人は正面切って体術だけで相手を凌駕している。ニーバの師匠だえあって強いな。
 アクラに背負われたカイが、黒い丸いものを持ってるのだが、これは枷について鉄球。これごと背負ってるアクラもフィジカルは強そうだ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-カゲは3DCG
 黄金騎士団の方は、もう全然レベルが足りてない。ウラーゴンみたいな上のご機嫌取ってるだけで、経験も実績もない指揮官では全滅は免れないだろう。中盤に入って各陣営の実力差がはっきりしてきたが、完全体ガーディアン戦を潜り抜けたメルクーとクムの経験が、ウラーゴンより兵士たちの信頼を得ている。極限状態になったら、部隊の分裂があるかも知れないくらいだ。
 足の指に関するウラーゴンの発言はわけわからんなので、この世界でも決まり文句の1つなのではないか。
 さてこのカゲたちの作画だが、もちろん3DCGIが使われていて、2期の準備を始めてから早い段階で作成されている。アフレコ段階でも結構ヤツらの絵はできていて、役者さんたちも「恐ぇ!」と言いながらやってた。もちろんカゲの笑い声もガヤで担当してくれているのだが
「ガヤで男性諸君、笑い声ください」
の声で皆さん始めたものの、結構な尺を録っていたので、途中でやけくそになってたり、変なこと言ったりしてる人もいた。細かく聞くと、いろんなものが聞こえるかも知れない。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-少年ギル王子
 御幼少のみぎりのギルガメス。遠藤設定で、ギルにはダムジいう弟がいたが、母親のイムシスと一緒に伝染病で亡くしている。これはその後の様子ではないかな。
 「影鬼」という遊びは、鬼ごっこの一種だけど、影の中が安全地帯となるもの。鬼がカウントを始めたら、数え切る前に影を出なければならない、あるいは鬼を避けて日向にある鬼の本拠に辿りつかなければならない、などの例外ルールで動きをつける。遠藤が子供のころはそんな遊びで、「影踏み」とは別。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-直訴の男
 直訴の男。王の変質は民衆に周知のモノと思われるが、中にはギル王を信じる者もいる。しかしギルの殺し方があっさり過ぎてむごい。娘の顔に返り血というのが、監督にも娘さんがいるので重い表現だなぁ、と思った。
 このプレートだが、刺されて男が下に落としても損傷していない。実際のメソポタミアでは粘土板が使われていたようなので、落したら大抵損傷する。粘土板以外が使われているとすると何?黒いので「黒御影石」に彫ってあるように見えるけど、日常では使えないし即時性もなさそう。ゴム板なら彫刻刀みたいなので掘れるけど、そんな材料はなさそう。ひょっとして、これも魔法の産物なのか?
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ギャルパーティーのシンクロ
 今回のお風呂当番はギャルパーティー。今回は伊藤脚本なので、単純にこのシーンをギャグとして流してしまうのはミスリード。ジルについて行けば良かったと言っているが、残ったことによって彼女たちには返って重要な役目が与えられたのではないかと思う。考えすぎだろうか?
 ギャルパーティーの5人は、回によって何も言わない人もいる。1期では何もしゃべらなかったオロだが、エタナ役の水野さんが担当してくれているので、2期ではしゃべる機会が多い。魔法使いとしても強いみたいだしね。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-呪いの人形スーツ
 ウトゥの「こんな時は怖い話しないか?」は、もうこのシリーズには欠かせないお約束だが、ウトゥは着ぐるみを持参して塔頂しているくらい、呪いの人形に入れ込んでいるらしい。わざわざこのカットを入れちゃうノリが、話がシリアス過ぎて鬱になる展開を防いでると思うので、遠藤は肯定派!
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ヘナロの泣き言
 ヘナロがついに爆発してグチり始める。内容がすごく現実的でまっとう。誰もが思っているヘナロの境遇が、具体的に指摘されている。長セリフで大活躍の花澤さんだけど、ヘナロの不思議なキャラクターがマッチしてて、ご本人も可愛い。2期が始まった頃は、ヘナロというキャラクターがつかみにくいということもあって苦労していた見たいだけど、このシーンではヘナロファン卒倒だったと思う。
「やればできる子なんだけど、普段はだめな子という感じで」というのが初回の指示だったかな。確かに難しいと思う(笑)
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-アクラのチョーク
 2期から登場で、今だに実力が見えないのがグレミカの副官アクラ。カイに魔法を使わせるために、チョークで魔方陣を書くシーンが今回あるが、このチョークはサラッと流してしまっていけない小道具。カイを利用して塔のシステムに介入することができる、と考えることもできる。グレミカがカイを利用する方法は、こんな細かなことではないと思うが、細かくも利用できるということだろう。
 力を使うにあたり、カイは枷を外されている。ここから分かることとして、枷はカイの能力を制限する働きがあるということだ。ワンピースの海楼石みたいな存在だね。外された瞬間に逃げたりしなかったので、枷以外にもグレミカはカイを繋ぎとめる何かを持っているのかも知れない。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ニーバの足跡
 この足跡については突っ込みたい。

 「マルカの子ニーバ」と断っているにも関わらず、大小2つの足跡があるので、カーヤの分まで光ってるのはおかしい。単純にそれに気付かずに作画したのか、あるいはカーヤの親をここで明かしてしまうのは都合が悪いので、その部分を呪文の方からカットしてあるのか。後者だと仮定すると、見えてくるのはカーヤがギルカイの嫡子という可能性だ。
 カーヤいくつだよ!という疑問もあるけど、カイがあれ以上の年齢になれないという話があったが、カーヤもひょっとすると不老とか。だいたいあの歳でオラクルとか、どんだけ優秀なんだよ、という説明にもなる。あるいは、時間の流れを止めることができるのかも知れない。
 もう1つ。足跡の間隔で移動している速度が分かるのだが、この影を離れるところの歩幅が小さい。ということは、ニーバとカーヤは走ってはいない。かなり余裕のある状態でカゲを処理していたと推測できるのだが・・・。そして岩に刺さる矢のイメージ。最後の矢を除いて、途中の矢はなくなっているから再利用されたと見るべきだ。ここから得られるニーバとカーヤの突破法はコレだ。

・次の岩の陰になる部分に向けて矢を撃つ

・矢にはロープが結んであり、今いる場所から次の岩まで張られる

・ロープにカーヤが何らかの補助魔法をかける

・その下を安全に通過する

・矢とロープを回収して次へ

 ロープに掛ける魔法は、ロープ本体をカゲの攻撃から守る働きがあって、人が余裕を持って歩ける幅にロープの影を落とせるようになるもの。これだと、矢が刺さっていた場所がやや高い位置だったという説明もつく。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-クーパにおんぶのウラーゴン
 ウトゥとかがカゲより相当強かったので、ジルパーティーはひょっとすると強硬突破できたのかも知れない。それに比べると黄金騎士団の方は、カゲがジルたちに向かってくれて助かっただろう。既にウラーゴンたらクーパにおんぶされてるしな。
 ウラーゴンは実力だけが評価される局面になって、その支配力を完全体ガーディアン戦を経験している3人に奪われている。兵士も生き残ることが困難であると気づいているだろうから、ウラーゴンは今後さらに立場がなくなってしまうんだろうね。でも、こんなタイプって結構最後まで生き残ったりするよね。というわけで、ウラーゴンの今後のバケに期待。
 クムの他にも兜をかぶらずにいる「おいそこ、もっとつめろ!」と言ってるのが「ボン」。こちらもダメキャラの予感。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-バカなことをやるぞ
 「馬鹿なことをする気だぞ」「そのようで」みたいなメルクーの掛け合いは、この作品のいいアクセントになっている。郷田さんは音響監督も兼ねているので、テストでは一緒に演じたりするけど、本番は調整室から指示しているので、茅原さんが先に入れた後に郷田さんが録って重ねるのが普通。たまにテンポが大切な部分とかは、茅原さんが残って郷田さんと一緒に録ることもあるのだが、丁度アニメのメルクーの見た目年齢ほどの差のお二人なので、親子喧嘩みたいでもあって楽しい。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-柱にロープをめぐらす
 ジルたちがやろうとしている馬鹿なこと。カゲがいる中でどうやってロープを張ったのか、石柱の強度は足りるのか、ロープで支えられるのか、アンカーになる方の柱の強度も・・・。あり得ないと思うので、ウトゥの斧で与作がやりたかっただけと解釈しておこう。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-砕けて粉塵となる柱
 メルトの8番ロッド。これは煙幕弾ではない。
 柱が倒れる時に、基底部が粉砕されて粉塵化したのを見たメルトが、石柱の高い位置を粉塵化させて煙幕に利用したのだ。いざという時に、いやいざという時だけは、即座に的確な判断を下すメルト。メスキアに戻ることがあれば、メルトランドの夢は再び描けるだろう経営者としての資質は備えたのかも知れない。
 しかし「できすぎ」でございますな。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-老ギルと黒ギル
 老ギルのところに現れた黒ギル。伊藤脚本らしく、物語の核心となるような重要なやり取りがなされていくのだが、その辺を突っ込むのはヤボなので、別の視点から。
 「今だ!直訴の男じゃなくて、そいつを殺れ!」って思った。相手の急所にナイフ刺して、自分もすかさず後追いすれば、全部終わりにできるいいチャンスだったのに・・・。それをしなかったのは、それじゃ話が終わっちゃうという大人の理由ではなく、幻の塔にいるイシュハラに生還のチャンスを残すための情だったのではないか、そう遠藤は思っている。帰れる可能性がないってわけじゃなさそうだからね。
 ちなみにシリーズ構成の賀東さんのブログ に、黒ギル担当が関智一さんに決まった経緯が紹介されている。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-クジラのモンスター
 いよいよ次回は第6話「四つの刺客」。ご想像通り、1期12話でパズズの運んでいた柩から現れ、幻の塔へと飛び上がっていった、参人衆の四騎士が登場する。予告担当のヘナロの早口もツボに入った人は多いのでは?
 最初のジルとヘナロのツーショットは、幻の塔の構造を理解する手掛かりとなるはず。そしてシリアスな顔のヘナロは、5話でグチ爆発するヘナロと目の大きさが全く違うけど、同じヘナロです。
 魚の骨のスープは、持っている袖口からカーヤなんだけど、カーヤの料理の腕と言えば・・・そんなニーバとカーヤの姿も出て、皆さんの最大の疑問に答えてくれることでしょう。皆さんの最大の疑問が遠藤の想像通りだといいんですけど(笑)
 老ギルに続くマッコウクジラの骨格みたいなのは、1話でカイが見せたイメージの水面を盛り上げた主でしょうね。既にカゲに食われてたりするのか、それとも寝ているのか、あるいは建造物(^_^;)
 斧はウトゥの持っている斧とは異なるので、ウトゥの話ではなく、ジャングルで生活する木こりが登場するのか?そして遠藤としては全く納得できない、この世界では未来の産物であるキリスト教のシスターみたいな恰好の少女。髪の毛の色から判断してカイかカーヤと思われるが、祈っているところを見るとついに女神イシターの登場なのか?
 また来週もこの塔の前に集合です!