ドルアーガの塔【夢の国メルトランド】第3話分析 | 遠藤雅伸公式blog「ゲームの神様」

ドルアーガの塔【夢の国メルトランド】第3話分析

 第3話は伊藤イツキ脚本によるお笑い回になるが、1期で主を失った塔がどうなったか、という現実の極端なサンプルとして描写される。一部の人には残念なのだが、2期でのお笑い回はこの第3話だけ。伊藤さんはもう2本脚本を書いているけど、そちらはマジで書いている。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-防寒装備で金剛の宮に備える
 金剛の宮に入る前に、防寒装備をするパーティー。ウトゥがカイにピンクのオーバーを着せてあげている。鉄の宮から金剛の宮までに、どんな雰囲気でパーティーが進んできたのかを暗示させる。概して子供は大きい人が好きだったりするので、ウトゥは好かれたのかも知れない。
 ここで用意されている防寒装備、ファティナの魔法も節約するだろうから、単体で十分に効果が望めるものの必要がある。ところが、スタジアムパーカー程度の装備でしかないので、前回2人で登った時に、既に金剛の宮の吹雪は弱くなっていたのではないかと思われる。
 それにしてはジルの警告が仰々しいのだが・・・はっ、この警告はパーティーのメンバーに向けてではなく、視聴者に1期を思い出させて次のシーンとのギャップを作るためのものなのか。全編パロディー満載なので、もう何が何だかわからないけどね。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-スキーリゾート「メルトランド」
 で、スキーリゾートになっているのだが・・・この辺りの描写が40歳前後の共通認識から引用されている。それ以前に、作品の世界観を完全に無視しているな(笑)まぁ、伊藤さんには「何でも好きにやっていいです」と言ってあるので、面白ければ遠藤的にOK。
 というわけで、第3話は「考証」とか「正史」とかの原理主義は全く関係のない世界ということで、そこを突っ込むのはヤボ。
 と判ったうえで、改めてこのスキーリゾートを考えてみよう。まず上の写真のリフトからわかることは、固定式のペアリフトで搬器の間隔から判断するとシングルリフトと同じスピードの時代、これは70年代中盤から出てきたもの。麓にできている町並みを見ると、小さな三角屋根が並んでいるが、このタイプは町などでスキー場開発し、麓に個人業者のゲレンデ食堂とかが、チロル風など町のイメージ戦略によって建って行った、地域主導の中型スキー場の典型例。このタイプのゲレンデはペアリフトへの掛け替えが遅れたので、80年代前半がモデルとなる。
 スノボ人口はほぼ0に近かったのだが、新幹線や高速道路も満足になかったのが、金剛の宮というメルトランドと被る。どうやって客はこのリゾートにやってきたのか、一般にはディンギルの梯子も使えないし、鉄の宮から先の道のりも楽ではない。2期1話で荷車が登って行くシーンがあったが、ウルク軍の大軍が通った道はモンスターさえいなければ、輸送路として十分とも思える。さもないと、メルトランドの建設もできないだろうし・・・。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-メルト社長の第1秘書クーパ
 ついに登場のクーパ。折角なので、パンしている画面を繋いで全身画像にしてみたが、胸のリボンが実は今まで頭につけていたものだ。となるとまたまた浮上してくるのが、クーパは一種のゴーレムで本体はリボンだという疑惑!デザインとして無理があるが、リボンが付いている理由はそれしか考えられない(笑)
 第1秘書として働いているというが、他の秘書の方がメルトに対してイエスマンだろうから、クーパが実質経営を締めているのかも知れないね。ビジネスは情報が命、という割にはメルトがクーパに内緒でやっていることが多そうだ。ひょっとするとクーパはリフトの動作原理を知らないのではないかな?
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-リッチでセレブな入浴
 今回の風呂当番は2話に続いて豪勢にメルト。
 真ん中の水中メガネを掛けた変態と商工会の副会長はなかったことにすれば、この一連のシーケンスは大人の女性オンパレードでいいと思うのだが。
 さて毎回気になる貨幣価値の問題がまた出た。今度は侍る女性に与える100万ギルダ。現在の貨幣価値と釣り合いを取ろうとすると、今までの考察に対する意見を加味して1ギルダ=数十円という線になるので、100万ギルダは数千万円。ウトゥのバトルロイヤル賞金が数十万円というラインになってガッカリだけど、防具関連の値段が暴落だけど、試合を見た直後の昂揚感と、塔の中にモンスターがいなくなった需要激減を理由に納得。
 ネズミ講で131英雄というのはメルトらしいやり口だが、131英雄の説明部分の長セリフ、いつもほとんど一発で録る郷田さんが、別録りで一人もくもくとリテイクを重ねたのだけど、「まだメルトが戻ってない!」と言いながら、みるみるメルトに仕上げていくのがさすがだった。ちなみにそこで登場するドルアーガは、1期表1話でジルの父親を演じているドルアーガ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-リッチでセレブな食事
 メルトがリッチでセレブな食事を振る舞うのだが、この時すでにウラーゴンとの取り引きは済んでいるはず。メルトにはジルへの義理立てが感じられないので、この食事はウラーゴンがメスキアでの砂ネズミ講許可を取るための時間稼ぎなのかも知れない。普通に考えると、リッチを昔の仲間に自慢したいだけなんだろうけど(笑)
 なぜか「イクラ丼」の押しが強いのは、桃太郎伝説をハドソンから発売することに決めたさくまあきらさんの動機が、北海道の会社と仕事すれば打ち合わせで北海道に行くたびにイクラ丼が食える。に起因する。
 それを羨ましく思ったスタッフの1人が、「ドルアーガの塔」のBGMに「イクラ丼が食べたかったなぁ~」という歌詞をつけたのが20年前にファンの間に広まり、初音ミクに歌わせたニコニコの画像が数年前にブレイクした。そこから「ドルアーガ=イクラ丼」の構図ができ、プロモーション担当が何と「柿家鮨」とのタイアップを本当にしてしまったのだ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-給仕するローパー
 ローパーが働いている。もう目茶苦茶だ(笑)
 本来の世界観では塔内にしかいないローパーなので、塔外から輸入したというのも苦し紛れで、コントロールが難しいモンスターをわざわざ使う必要もない。一重にローパーが可愛いからとか、モンスターの中で人気があるからの登場だろう。「子供をいじめると暴走する」というネタだけから発展した可能性もある。
 抱き枕の需要喚起のために、改めてファティナのらめぇシーンを入れたかったのかも知れない。とにかく話せばわかる相手ではないのだが、それゆえアフレコ現場でもローパーのガヤはとんでもなかった。最後の雪崩シーンまで行ったらみんなヤケクソだったよ(笑)
 もちろん「ローパー」という言葉だけで、心情描写を真剣にさせている音響監督にも萌えたけどね。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-ローパーを管理するメガネ隊
 メルトの使用人として働いているのは、1期裏1話でメルトをクビにした眼鏡パーティーの連中。そしてローパーをリフトの動力源として使っているので、どのくらいの出力が得られるのか計算しようと思ったのだが、最終的にローパーの数がとんでもなく増えているので諦めた。多分充分な出力は得られないだろう。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-オリに入れて運ばれるカイ
 黄金騎士団に護送されるちびカイだけど、この寒い中で吹きさらしの檻に入れるとか、様を付けて呼ぶほど大切に扱われてはいない。ウトゥの目の穴が赤く光って暴走しても良かったと思うぞ。まぁ、子ローパーをウラーゴンに踏ませるためには、カイは出れなくて子ローパーは出れる環境が必要だったんだろうけど。
 矢島さんは色々な年齢のカイを切り替えながら演じてくれているけど、雪の中からカイが出てきて「ん」と返事をするところは、最初しんちゃんに聞こえてた。次回ではカット内で年齢が変わるカイを演じてくれるので、矢島ファンは必見!
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-巨大ローパーの腕のアップ
 脱走したローパーたちが、雪崩と共に巨大ローパーとなるのだが、この巨大ローパーは組み立て体操のごとくローパーが繋がっている群体だ。本体と触手部分は色も一致しているのだが、目に当たる赤い部分はどのように重なっているのか、多分トンネルをレールで進んでいたローパーのような体勢で、目が前面に来るように重なっているのだろう。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-カイの防御魔法
 カイの防御魔法らしいのだが、雪崩に巻き込まれた人々がすべて守られているようだ。天空の宮に近付くに連れて、塔のシステムとしての力が使えるようになっているとしか思えない。1期11話でサキュバスが入浴していた空間のようなものだろう。
 ジルだけが気付いているのは、塔の亡霊たるカイが憑依しているのがジルだから。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-メルト王国崩壊!
 メルトランドが崩壊して、ウラーゴンたちと一緒に塔を登ることになったメルクー。クーパが計算している損失総額がなぜ「やけにリアル」なのかと言うと、このアニメを作っているGONZOが含まれる企業グループの親会社「GDH」の平成20年度3月期決算の数字 そのものだからだ。こんなギャグを入れることを許可できるってことは、その程度の赤字は返して見せるという経営陣の意思の表れだと思う。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-天空の宮入口
 天空の宮へ到達したジルパーティー。1話の最後で競り上がってきた氷柱はなんだったのか?とにかくここまでくるための道も、上の写真右下に階段があるので整備されているように見える。立ち入り禁止ではあったみたいだが。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-なぜか西部劇調のケルブ
 ケルブが出かけて行くところを見送るエタナ、いい雰囲気だけど、まだステディってわけではなさそうな距離感だ。 単に「シェーン」がやりたいんだろうけど、ケルブがこんな西部劇みたいな恰好をするとはあり得ない(笑)
 ケルブが何を追っているかというと「真実」なわけだが、自分が目の当たりにした事実を手掛かりとするのなら、まずはニーバとカーヤが幻の塔へ登った理由を探りに出掛けるで間違いないだろう。この二人が幻の塔外の出来事の中心人物になる伏線と遠藤が信じて疑わないのは、1期8話と同じ匂いがするからだ。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-外征に出掛けるギル王
 外征に向かうギル王だと思っていたのだが、賀東ブログ によると帰ってきたところらしい。ウルクという国はバビリムとスーマール、そしてアラムという都市国家を中心に近隣をまとめている。名君であったギルガメス王は、徳によって従う都市を増やしていったに違いないが、今の王は武力行使も辞さないようだ。
 その矛先は、多分北方の国なのではと思われる。 キシュアに行軍するのは難しいので、ニニビ方面。以前より王も元気に見えるのだが・・・何やら悪の力が働いているのだろうか?
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-雪崩に驚くウラーゴン
 第3話は最初から「雪崩オチ」と予告され、24のパロディとして全体が流れている。しかし、ウラーゴンもビックリの雪崩が終わってもカウントダウンが続行している。で、 最後は「雪崩だけにうなだれる」というダジャレで終わる。
 別に遠藤はとやかく文句は言わないけど、シナリオ考えてたオッサンたちは全力投球でチェンジアップが好きみたいだな。若い感性だと不愉快にも思えるだろう。でもここから後は最後までチェンジアップを投げる余裕はないので、見る方もそれなりに見てほしい。
ゲームの神様・遠藤雅伸公式blog-次週の風呂当番グレミカ
 次回、第4話は再び現れたガーディアンドルアーガとの対戦だ。「つよくてニューゲーム」のジルパーティーなので、見所はグレミカの入浴シーン。色々と言われているアクラだが、上のシーンのちょっと前に、「このセリフを言わせたいためだけに、このキャラが作られて、この声優さんなのか」と遠藤が思った一言がある。
 それにしても、AVのボカシを消す装置はあるけど、アニメの湯気や光を消す装置はないのか?と思ってる人って、どのくらいいるのかな?