久しぶりのブログ。
先日、12年ぶりにLUNA SEAのLIVEへ行ったことについて書こうと思います。

LUNA SEAは2010年から復活していたけれど、
私は新曲をCDリリースするまで復活とは認めない、
絶対にLIVEには行かないと決めていました。
たとえ演奏のクオリティーが上がっていようとも、
過去の楽曲を再現するだけのLIVEに価値を見い出せなかったからです。
手放しでただ復活・再会を喜ぶ行為が、私には受け入れられませんでした。
現在を生きて、躍動し、進み続ける彼らでなければ、私には愛せない確信がありました。

2012年3月21日、新曲『THE ONE』がついにリリース。
20分を超える長大なこの作品は、スケール感はもとより、
宇宙に生まれたばかりの恒星のような、可能性に溢れた曲に仕上がっていました。
そして何より、LUNA SEAの音が格段に太く、深化していました。
このLUNA SEAなら、もう一度会ってみたい、そう思いました。
2012年12月12日には、次いで新曲2枚『The End of The Dream』『ROUSE』がリリース。
“The End of The Dream”、そのタイトルは、
私には無価値だった過去の夢をなぞる饗宴がようやく終わることを示していました。
メッセージを音源からも受け取ったのと同じ頃、LUNA SEAが来阪する一報を知り、
もう一度彼らの音楽に生で触れる決心をしました。
場所は大阪城ホール。
私が初めて生のLUNA SEAに出会ったのもここでした。
17年前の暑い夏の日、なけなしのお金でようやく手に入れたチケットを握りしめて、
一人でLUNA SEAのLIVEへ行きました。
本当に目の前に現れた彼らに呆然とする中、
放たれる凄まじいエネルギーが音に乗って、
私を含めたオーディエンスめがけて、何度も何度もぶつかってくるのを感じました。
ぐちゃぐちゃに“何か”が揺さぶられ、
わけも分からず涙が溢れて止まらなかったことを覚えています。
大阪城ホールは、LUNA SEAによって自分の中にあった激しい“何か”をえぐり出され、知らしめられた場所です。
今の自分が生まれた場所です。
そして迎えた2012年12月23日・大阪城ホール、私には一発勝負の復活LIVE。
これであのとき見つけた“何か”がもう一度震えなければ、離れる覚悟でLIVEに臨みました。

LIVEを終えて…
LUNA SEAは12年の時を超えて、前にも増して突き抜けたバンドになってくれていました。
12年前のあの時、バンドを終わらせたこと、その後の空白の10年が、
こうしてバンドが生まれ直すために必然であったのだと理解させてくれました。
そして、バンドの復活さえ望めなかった中、
ファンであり続けた意味、この先もファンであり続ける意味を、
何よりもその進化した音で示してくれました。
これまで私は国内外たくさんの音楽を聴き、
様々なアーティストのLIVEにも参加してきましたが、
やっぱり私には、後にも先にもLUNA SEAが最高のバンドなのだと思い知らされました。

そして、LUNA SEAが一度消えてしまう前、
バンドが目に見えて歪みはじめた1997年から一番引っかかっていたこと。
VOCALのRYUICHIが、LUNA SEAにおいて、RYUICHIで在ってくれるかどうか。
その望みの残されたわずかな破片さえ、私の中でもう砕け散ってしまいそうでした。
けれど、12年ぶりに生で耳にした彼の声は、まぎれもなく“RYUICHI”のものでした。
LIVEの喧騒に包まれながら、ただ一つ
「ああ…RYUICHIがいる。間に合った」と強く感じました。
リリースされた音源から予感はしていたものの、これまでの復活LIVEでは、
彼の声はまだ私の知っているRYUICHIには完全には戻りきれていませんでした。
けれど、私がLUNA SEAを諦めてしまう本当にギリギリのところで、
彼はRYUICHIとしてLUNA SEAに在ることを選んでくれました。
めちゃくちゃにカッコ良くて、かつてLUNA SEAをJ-ROCKシーンのトップゾーンへと押し上げた声。
オーディエンスを震わせ、心ごとわし掴んでしまえるバンドの
フロントマンにふさわしい声が確かに戻っていました。
さらにスケールアップまでして。

LUNA SEAはメンバーチェンジがどうやってもきかないバンドです。
歌うのは、たとえ素顔の河村隆一さんが丸見えのRYUICHIでも
彼でしかありえなかったし、それは今も変わりません。
ほかのメンバーにしても同じことが言えます。
そして、ファンがどんなに望んでも決して迎合せず、
やりたいようにしかやらないバンド、メンバーだから
これからも理解できない道を選び、幻滅させられることもたくさんあると思います。
けれど、彼らが自由であればこそ、
こうして想像をはるかに超えてくれることも起こり得ます。
いつか彼らの音に何も感じなくなるその日が来てもいいから、
彼らにはずっと自由でいてほしい。
私も覚悟をもって正直に、そして真摯に、
熱が途切れるその瞬間まで、LUNA SEAの音に耳を傾けていたいと思います。
私にとって一度きりの復活LIVEは、間違いなく出来が良かったです。
しかし、一番聴きたかった『THE ONE』は聴けなかったし、
過去最短といえるほど短かったです(笑)
おかげ様で、渇望する情熱が自然に蘇ってきました。
席が近いとか遠いとかはどうでもいいので、
ニューアルバムが出たら、とにかくLUNA SEAの音を聴きにLIVEへ行きたいです。
LUNA SEAは、現在も過去も、そしてきっと未来も、ファンの心を捕まえるのが抜群にうまいバンドです。


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